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キコログ | 大阪で自然素材の注文住宅「kicori」

「家族と育つ家」子育てと間取り1⃣

石本(kicoriスタッフ) 石本(kicoriスタッフ)

Contents

    間取りに込めた思いを…

    kicoriではお打合せのなかで、まずはお客さまのご希望をたくさん聞かせていただきます。「まだ考えはじめたばかりで漠然としていて…」とおっしゃる方から「こんな間取りにしたいです」と自作の間取りを持ってこられる方まで様々なのですが、やはりどの方の言葉からも新しい家への夢を感じます。

    「いいな」と思う写真や間取りを集めるのも楽しい時間。

    そんな打合せを経て、いただいたご要望を元に図面を引いていくのですが、何度描いてもサラサラっと描いて完成!というわけにはいきません。

    もっと良くなるのではないか、もっとご希望が叶う形があるのではないかと何度も何度も描き直し、スタッフの間であぁでもないこうでもないと話し合い、打合せのメモを何度も見直し、夢の中まで出てきたりして、打合せの直前まで考えていることもあります。

    そうしてできた図面は、またお客さまとの打ち合わせを経てブラッシュアップされていきます。そんな図面はただの紙ではなく、お客さまの「こんな暮らしをしたい!」という思いに「しあわせに暮らしていただきたい」という私たちの思いも足された願いのかたまりです。

    ここでどんな暮らしをされるかな…と想像しながら。

    お打合せではそんな図面の意味をご説明するのですが、それでもお伝えしきれないこともたくさんあるので、このブログで少しご説明できたら…と思い立ちました。

    ということで今回は…大学で福祉・保育・子どもの発達・オルタナティブ教育を学び、社会福祉士の資格を持ちつつ10年ほど高校・小学校で教員をし、kicoriでマイホームを建てた後kicoriに転職して2人の子どもを育てながら家づくりをしている私なりに…子育てにからめながら図面を読み解いていきたいと思います。それぞれのご家族の状況や生活スタイルがあるので一概には言えませんが、kicoriのお客さまには「こういう図面になっているのはこういう意味があるんだ!」と謎解きの気持ちで読んでいただけたら幸いです。

    ①家事楽を考える。~水廻りをキッチンの近くに置く意味~

    水廻り(お風呂や洗濯室・洗面台)がキッチンに近いことでのメリットはご想像通り家事楽です。育児をしながら仕事をされていると、朝の出勤前と夕方の帰宅直後は1分1秒が貴重ですよね。

    私自身も家を建てる前にうんと考えたのですが、洗濯は、洗濯物を仕分け、ネットに入れたり洗剤を放り込んだりし、洗濯機を回し、干し(乾燥機をかけ)、取り込み、畳んで、家族それぞれに仕分けて、片付ける…の動線と行程をいかに短く少なくするかがポイントです。

    私も仕事から帰ると、子どもたち(2歳半・1歳)の手を洗い遊ばせてから洗濯機を回してキッチンへ直行。後追いの激しい長男を抱っこしつつ夕食の支度…片付けの後干してあった洗濯物をしまい、洗った洗濯物を干して…という行程なのでこの動線が本当に大事です。朝に洗濯機を回していた時期もあったのですが試行錯誤を経てこの流れに落ち着きました。

    私の家はキッチンの中心から洗濯機の前に立つまでが実測約5m50cmあるのですが、私の歩幅でぴったり10歩です。これくらいですと、移動にストレスは感じません。またキッチンから脱衣室まで廊下がないので扉は脱衣室のものだけなのですが、これも基本的に開け放しなので扉の開け閉めが無いことも家事楽のポイントです。また干したものをどこで畳むかも重要ですが、私の家は室内干しで、かつ家族全員分の収納と直結しているので、ハンガーのものはハンガーのまま少し運ぶだけ、子どもの服もハンガーから外してその場でちゃちゃっと畳んでしまうだけです。

    少しでもこの移動と工程の多い「洗濯」という家事が楽になることで、親御さんが自分の時間を持てたり、お子さんとの時間を持てたり、ちょっとほっとできるような時間が作れるといいな…と思っています。

    洗濯ものを干す部屋兼収納兼私の趣味の裁縫室でもある部屋。
    干す部屋と直結している収納。この廊下が家族が着替える場所でもある。

    そして、キッチンの近くにお風呂があることのもう一つのメリットは、もう少し子どもが大きくなってひとりでお風呂に入るようになったときに安心だということかなと思います。キッチンからお風呂の中までストンと見通せるとなお安心なのですが、それは土地の形状や他の部屋などの制約もありなかなか難しいので、気配だけでも感じられる場所にあると良いと思います。

    ②朝夕の動線と家族が集まる場所を考える。~水廻りがキッチンと別のフロアにある意味~

    水廻りには、大きな面積を使います。最近は干す場所やクローゼットも合わせて希望される方がほとんどですが、そうなるとかなりの面積が必要になります。

    できれば1坪以上は欲しいランドリールーム。

    LDKも水廻りも全て同じフロアにある平屋は理想的なのですが、立地の希望も合わせると大きな土地が難しいことも多く、平屋は基礎が大きくなるので建築費用もかかってしまいます。コンパクトな土地のなかで水廻りをリビングやキッチンのあるフロアに持ってくることで、家族が一緒に過ごす場所が狭くなり、居心地の悪い部屋になってしまっては本末転倒です。

    LDKとフロアを分けて水廻りは水廻りでまとめることで、洗濯から乾燥、収納まで無理のない動線が作れると共に、LDKのないフロアは面積が余ることが多いので、収納量をぐんと増やせる可能性が高くなります。また、外干しされたい方にとっては、洗濯機からバルコニーへのアクセスが良くなるというメリットもあります。

    またそうなると寝室と水廻りが同じフロアになることが多いので、お風呂に入ってすぐに就寝、もしくは寝室でくつろがれたいという方にも向いています。朝の動線としても、寝室で起きて、同じフロアでそのまま顔を洗い(朝風呂の方は入浴でも)、身支度をしてLDKのあるフロアへ…という移動がスムーズに叶います。

    2階のお風呂。借景できる窓を作ることも。

    洗濯に関しては、夜でしたら入浴前後に回して、就寝前に干す。もしくは朝起きたときに回して出勤前(在宅なら仕事開始前)に干す…というタイミングですとスムーズかなと思います。

    大きな場所を必要とする水廻りがLDKと分けられることで、LDKにかなりの余裕ができます。これをリビングや子どもの勉強スペース、書斎、くつろげる和室(客間としても使えますね)に充てると、そのフロアは家族が自然と集まる心地よい場所になってくるのではないかなと思います。

    老後のことを考えると、やはりLDKと水廻りが分かれているのは不安を感じられる方も多いかと思うのですが、最近はそれを解決する秘策も考えています。…これはまだ検討段階なので、ここではお伝えできませんが、気になられる方はお打合せで聞いていただけたら…いつかブログでも書けたらいいなと思います。

    まだまだ書きたいことはあるのですが、長くなってきたので今回はこのへんで…

    「新しいお家で、こんな風に過ごしていただけたらなぁ…」と私たちが図面にぎゅぎゅっと込めている思いを読み取っていただけると幸いです。