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エアコン冷房がまだ蒸し暑いのに止まってしまう理由

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    暑い夏がやってくると、エアコン冷房が必須になってきます。
    今のところ、日本においてはエアコン冷房以外で部屋を冷やすことが出来る手段が殆どありません。
    しかし、近年の温暖化の影響もあって、年々夏場の湿度も上がってきています。
    このような要因もあって、今エアコン冷房にも困った現象がよく生じるようになってしまいました。

    近年上がり続ける日本の絶対湿度

    上がり続ける絶対湿度

    こちらのグラフは、大阪市と仙台市における過去10年間の絶対湿度の推移です。
    どちらの場所においても、年々絶対湿度が上がっていて、平均すると年に0.073[g/kgDA]程度上昇しています。
    この現象のために、世の中では様々な困ったことが生じています。

    例えば、夏が蒸し暑くなるのは当然なのですが、他にも今まで夏場に結露が発生しなかったような場所で結露が発生するようになる現象が発生しています。

    エアコンの冷房が蒸し暑いのに止まる現象について

    世の中全体の湿度が上がると、家の中でも困ったことが発生します。
    エアコンは冷房と同時に除湿も行っています。
    ですので、エアコンは冷房が動いている時には除湿可能なのですが、エアコンが止まってしまうと除湿が出来なくなります。(この欠点を克服するために作られたのが、再熱除湿というもの)

    そして、エアコンが止まるのは何もリモコンで停止ボタンを押した時だけではありません。
    例えば、リモコンで28℃設定の冷房運転をしているとします。
    部屋が十分に冷えてきて、28℃を下回ったことを感知するとエアコンは自動で運転を止めます。(それでも動いている音がするのは、冷風ではなく通常の送風が動いているからです。)

    この結果、以前であれば28℃になった時にはそれなりに湿度も下がっていて、止まってもそれほど暑いと感じることはありませんでした。
    しかし、世の中全体の湿度が上がってきて、28℃になって止まった時に、十分に湿度が下がり切っていない現象が発生するようになったのです。

    冷房が蒸し暑いのに止まることに対する策

    さて、この現象どのように対策すればよいでしょうか?

    対策① 設定温度を下げる

    最も簡単な対策方法としては、エアコンの冷房設定温度を下げることです。
    先ほども説明したように、エアコンの除湿は通常、冷房運転と共におこなっています。
    これは除湿運転単独の場合でも同じ仕組みです。

    ですので、冷房が動いている時間を極力伸ばすことで、除湿量を増やすことが可能になるのです。

    しかし近年では、省エネ対策のために28℃設定にすることが推奨されてきています。
    ですので、単純に温度を下げるのも一時的な暑さ対策としては有効ですが、これをいつまでも続けることは対策として十分とは言えません

    対策② 再熱除湿型のエアコンにする

    先ほどから説明してきた除湿は、エアコンの最もシンプルな除湿方法です。
    なりゆき除湿とも言われていて、冷房が動いている時にしか除湿出来ないのでした。

    これとは別の除湿方法として存在しているのが、「再熱除湿」と言う方法です。
    これは再熱除湿型のエアコンだけに限られる方法です。

    エアコンの内部を通常よりかなり冷やします。こうすると、除湿できる量が通常よりも増えます。
    この冷やしすぎた空気をそのまま部屋の中に流すと寒くなりすぎるので、わざわざ少しあたためて、通常の冷房の空気程度に戻します。

    こうすることで、除湿の量を増やすのが再熱除湿と言う方法です。
    こうすれば、除湿の量を増やすことは出来ますが、大きな問題があります。

    再熱除湿はビックリするほど光熱費が高くなるのです。。。

    対策③ エアコン以外の機器で体感温度を下げる

    電気代をそれほど上げないで、設定温度を28℃としたままの対策としてもう一つの方法があります。
    除湿をするためには今見てきたように、どのみち大きな電気の力が必要になります。
    ですので、除湿をしようとするとその分光熱費が高くなってしまいます。

    とはいえ、本来の目的は「快適に過ごすこと」のはずです。

    快適に過ごすためには、「体感の温度」を下げると良いわけです。

    この体感温度を下げる方法としては、いくつか方法があります。

    体感温度を下げる方法①

    体感温度を下げる方法の1番重要なことは、壁や窓、天井からの暑い放射温度を減らすことです。
    これは、断熱をすることで下げる事が可能です。
    人が感じる体感温度は、実際の室温だけでなく、周りの壁や天井から放たれる放射温度による影響も大きいのです。ですので、断熱して、壁や天井面の温度を高くしなければそれだけ体感温度は下げられます。

    体感温度を下げる方法②

    体感温度を下げるもう一つの方法は、扇風機を使う事です。
    これは、電気代もそれほどかからずに体感温度を一気に下げる事が可能となります。
    もちろん、空気が動きさえすればいいので、シーリングファンやサーキュレータなどでも構いません
    何せ、体に気流を少し感じるくらいの空気の流れがあれば体感温度を下げる事が可能となるのです。

    これにより、「蒸し暑い」と感じていた感覚もかなり軽減することになります。

    シーリングファンの例

    まとめ

    以上で見てきたように、近年の湿度の上昇によってエアコン冷房しているはずなのにまだ暑いと言った状況が生じるようになってきました。この対策として色々な方法が挙げられますが、最も電気代を掛けずに、この状況を打開できる方法としては、扇風機などを使って空気が流れるようにしてやることがベストな打開策です。もちろんエアコン冷房も続けたうえでの話ですので、組み合わせて使う事が夏場の暑さを克服し、快適に過ごす手段となります。