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快適な睡眠には夏場も寝室の温度管理が重要

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

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    今年は10月に入っても30℃を超える暑い日が続くなど、最早高温であることが当たり前のようになってきました。近年では、冬の寒さが体に悪影響なことが分かってきましたが、今後は地球温暖化と共に暑さによる影響についての対策がより必要になっていきます。
    今回はそんな夏の夜の温度管理について、考えていきたいと思います。

    だんだん夏が長くなってきている!

    上の図は大阪における9月の夜8時~朝の5時までの気温を取り出したものです。
    2024年の夏の夜が如何に暑かったのかを如実に物語っています。
    9月の夜でもなかなか気温が下がらず、30℃近い状況が続いていて、夜風の涼しさを得ることは難しく、単に窓を開けて寝ると言う対策はなかなか取りづらくなってきています。
    そこで、どのような対策をとるべきなのでしょうか?

    高断熱住宅+エアコンが必須の秋の夜

    温度を下げるにはエアコンしかない

    9月の夜でも暑い日が続きます。なので昔のように窓を開けて寝るという事が難しくなってきました。
    また、扇風機に当たってねるということでも多少の涼は得られるのですが、扇風機は部屋の風を送っているだけなので、温度を下げる働きはしません(寧ろ、温度はモーターの発熱によって上がります。)

    前回のブログにあるように、夏場に快適に寝ようとすると理想的には25℃程度にすることが良かったのでした。そうすると、やはり温度は下げる必要があるのでこのためにはエアコンを使う以外に方法はありません

    家の内と外で温度差があれば断熱が必要になる

    外の温度が夜間でも29℃を超えることが多く、その場合は家の中と外で温度が大きくなります。
    25℃はあくまで理想としても、家の中と外での温度差がある程度つきます。
    そうなれば、夏においても「断熱」していることが大切になります。
    これは、折角冷えた室内の温度が、外の温度の影響で上がってしまうことを防ぐために必要となります。

    また、夜寝る際にはタイマー運転で寝てから1時間~3時間程度で運転を切る方も沢山いるでしょう。
    この場合、断熱性能が低いと室温はやがて外の気温と同じようになってしまいます
    折角25℃近く下がった温度も、29℃とかそれ以上になる場合もあるのです。

    温度が極端に上がるより、温度が一定の方が快眠出来る

    寝始めの温度を25℃とし、タイマー運転によって3時間後に停止した場合と、夜間ずっと25℃をキープした場合とで、どれだけ差があるのかを調べた実験があります。

    これによると、タイマー運転によって3時間後に停止した場合は、夜間にずっと25℃をキープ出来た場合に比べて、夜に5分以上目覚める回数が倍程度増えることが示されています。

    また、回数だけでなく夜中に目が覚めてしまう時間も夜間にずっと25℃をキープ出来た場合では10分程度なのに対し、タイマー運転によって3時間後に停止した場合では20分程度に増えます

    このように夜間に快適に寝ようとした場合、タイマー運転によって冷房が止まったあとに温度が上がることにより、目覚めてしまう機会が増えてしまします。
    このため、夜に寝ている間も出来るだけ快適な温度をキープ出来ることが理想的なのです。

    快適な温度をキープするためにも、高断熱住宅にすることは必要なことと言えます。

    更に快適に感じる温度コントロールは?

    実際の睡眠中の目覚め回数や時間などはあまり変わらないのですが、目覚めたときの「暑く感じたか?寒く感じたか?」と言う、感覚的な気持ち良さをより向上させる方法が考案されています。

    深部体温といって人間のからだの内部(内臓など)の温度は、寝る際には深部体温が下がることによって、眠くなり、寝ている間は深部体温が低く、朝に向かって温度が上がると言う挙動をしめします。

    この深部体温は非常に微妙で一晩で1℃程度しか変わりません
    しかし、これは人間が毎晩繰り返す体温の調節機能で、この深部体温の変動が生じやすいように温度コントロールをすることで、自身が感じる快適性を上げようとする試みがあります。

    上のグラフの例では4時間程度たったところで、深部体温が最低温度となっていますが、これはヒトによって異なりますし、同じヒトでも日によって分かります。
    なので、この微妙な調整をスマホアプリを利用して毎日のデータ収集することで「何時に温度を変更すべきか?」をヒト毎に変えれるようにしようとする試みです。

    それがPanasonicが掲げるエオリアスリープと言うもので、寝始めから深部体温が最低温度に達するまでは25℃程度でキープし、体が目覚めに向かって体温を上げ始めるとともに、徐々にエアコンの冷房温度も上げると言う温度コントロール方法になっています。

    このような温度管理方法は、実は他のメーカーの機種でも採用しているものがあります。
    しかし、スマホアプリを使って最適な時間を割り出そうとする試みまでしているものはエオリアスリープだけのようです。

    このコントロール方法によって、どれだけ起きた時の暑さ・寒さの感覚が改善されたのかの結果についてはまだ未発表(2024/10/30現在)のようですが、快眠に繋がる可能性は考えられそうです。