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省エネ・断熱の義務化が閣議決定されました

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

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    2022年4月22日、国交省のホームページに以下の内容が掲載されました。

    「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案」を閣議決定
    ~2050年CNの実現に向けて、建築物の省エネ化及び木材利用の促進を図ります!~

    国交省報道発表資料

    今までの住宅には断熱を施工することは義務ではなく、今でも一部の建売住宅や安売り住宅では断熱が無い家を建てることが可能でした。しかし、今回の閣議決定により2025年以降に建てられる全ての建物に省エネおよび断熱を設置することが義務となったのです。

    今回の義務化の内容

    今回の義務化については、2050年のカーボンニュートラルに向けての第一歩となります。
    本来であれば、2020年の段階で義務化される予定だったのですが、業界の対応が遅れたため見送られました。

    そして、今国会についても義務化が見送られる可能性が高かったのですが、政府の急な方針転換によって今国会において法案を決議することになったのです。

    今回の義務化では、義務になる省エネ性能や断熱性能は非常にレベルの低いものとなります。
    これは、住宅業界においてまだ断熱や省エネに着手出来ていない企業に対しての配慮の意味が大きいです。


    これまでは、断熱等性能等級と言うものが1~4までありました。例えば、大阪での基準を見てみると

    等級断熱性能の要求値
    等級4 UA値≦0.87
    等級3 UA値≦1.54
    等級2 UA値≦1.67
    等級1

    上の表を見ても明らかなように、等級1の場合断熱が無くても法律上は問題なかったのです。

    しかし、今後は等級1~3が無くなり、等級4が最低基準となる予定です。
    つまり、義務化では以前の基準の最高等級が最低基準となるのです。
    とは言え、UA値0.87はかなり低い断熱性能のままです。

    今後の基準の変更の流れ

    そして、2022年4月1日からは、上記の基準に新たに等級5が加わりました

    等級断熱性能の要求値
    等級5 UA値≦0.60
    等級4 UA値≦0.87
    等級3 UA値≦1.54
    等級2 UA値≦1.67
    等級1

    この等級5はZEH(ゼロエネルギー住宅)に必要な断熱の基準と一致しています。
    つまり、ZEHにするには少なくとも断熱性能は等級5を満たす必要があります。
    それでも、この基準は決して高いものではありません。

    更に、2022年10月1日からは、等級6,7も創設されることとなっています。

    等級断熱性能の要求値
    等級7 UA値≦0.26
    等級6 UA値≦0.46
    等級5 UA値≦0.60
    等級4 UA値≦0.87
    等級3 UA値≦1.54
    等級2 UA値≦1.67
    等級1

    等級6が推奨しているHeat20によるG2性能と同じで、等級7はこれを上回る断熱性能です。ここにきて、やっと世界的に標準となる断熱性能が基準に加えられることとなりました。

    【参考】「あなたのお住まいに必要なUA値とは?

    そして、2025年には等級3以下が無くなります。

    等級断熱性能の要求値
    等級7 UA値≦0.26
    等級6 UA値≦0.46
    等級5 UA値≦0.60
    等級4 UA値≦0.87

    更に今後の目標として、2030年には等級4が無くなり、ZEH水準である等級5が最低限となる予定です。恐らく、この頃には等級の数字が分かりやすく変更されるだろうと思われます。

    等級断熱性能の要求値
    等級7 UA値≦0.26
    等級6 UA値≦0.46
    等級5 UA値≦0.60

    等級4は平成11年に定められた基準です。それが、その後20年以上もそのままになっていたのです。
    しかし、カーボンニュートラルの実現に向けて今後は、一気にこれらの基準が変更されていくことになるのです。

    ここまでは、新築の住宅の話でしたが実は今後は既存(既に建っている)住宅についてもZEH化が進められることになっています。そして、政府の目標としては2050年には国内の全ての建物を平均化するとZEHとなるようにすると定められていて、ますますZEHにすることが当たり前の世界になっていくのです。

    今建てるならどのような断熱性能にすべきか

    理想的にはHeat20のG2性能が理想です。これは、最も費用対効果が安くなるとされているからです。
    しかし、それが叶わない場合はZEH基準であるUA0.6を下回るようにすることが重要です。

    何故なら、近い将来この断熱性能が最低基準となる可能性が高いからです。

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