夏場の湿度制御に強い!エアコンとは??
高断熱住宅において、暖房はエアコンの一択であることは既に以下のブログで触れています。
夏場はどうでしょうか?もちろん、冷房においてもエアコンがベストな選択肢となります。しかし、同じエアコンでも冷房時には湿度の調節が大切となってきています。これは下記で詳しく説明していますが、簡単に言うと温暖化に伴う湿度の増加が原因と考えられます。
「エアコン冷房がまだ蒸し暑いのに止まってしまう理由」では、以下のような3つの対策を挙げました。
対策① 設定温度を下げる
対策② 再熱除湿型のエアコンにする
対策③ エアコン以外の機器で体感温度を下げる
しかし、これら3つの対策は完璧と言う訳でなく。どの対策をもってしても欠点が生まれてしまいます。
そこで、今回は湿度対策に強いエアコンをご紹介したいと思います。
以前から湿度対策に優れていたダイキンのエアコン
今回、ここでご紹介するのはダイキン(以前の大阪金属工業)さんが手掛けるエアコンです。ダイキンさんでは、以前からぴちょん君というキャラクターを前面に押し出して、「うるるとさらら」と言う湿度管理機能を有してきました。
言葉の意味としては、うるるが冬の乾燥に対応するための加湿方法を指し、さららが夏の高湿に対応するための除湿方法を指しているようです。
歴史は非常に長く、25年以上の歳月をかけて様々なうるさらを手掛けてきているとのことです。
さらら除湿:ハイブリッド方式とは?
このなかの除湿機能は年々進化を遂げて、2024年現在では3種類ほどのさらら除湿方式を掲げています。
今回は、その中でも最も優れた「さらら除湿:リニアハイブリッド方式」をご紹介いたします。
通常の冷房の空気の流れ
エアコンの風の出入りは以下のような感じになります。
暖かい空気がエアコンの上部から入って来て、室内機の内部で冷やされて室内に出ていきます。
通常の冷房でもエアコンの本体から出ていく空気の温度は設定温度よりも低い温度が出ていきます。そして、エアコンの上部から入って来る空気の温度が設定温度に近くなると運転を止めるといった仕組みです。
一般的なドライ運転の仕組み
通常、ドライ運転と言う方法で除湿をすると、この本体で空気を冷やす能力を大きくします。(つまり、極端に冷やします。)そうすると、何が起こるかと言うと、部屋から本体に入ってきた空気の中の湿気が急に冷やされて結露が発生するのです。こうして除湿された空気が室内に放出されます。
これが、通常のドライ運転の仕組みです。しかし、これには弱点があり、室内への放出空気の温度が、通常の冷房よりも冷えすぎると言う欠点があります。
再熱除湿と言う除湿方法
この欠点を補うために考え出されたのが、「再熱除湿」と言う手法です。
この方法では、一旦空気を冷やして、結露を大量に発生させるまでは、ドライ運転と同様です。そして、急激に冷やした空気をそのまま部屋に放出すると寒いので、なんとヒーターでもう一度、適温まで暖めるのです。
これで、快適にはなるのですがこれにも大きな欠点があるのです。
非常に光熱費が高くなり、省エネ性能が著しく悪くなります。
リニアハイブリッド方式とは?
そして、ダイキンオリジナルの除湿方法として編み出されたのが、リニアハイブリッド方式です。
ハイブリッドと言うだけあって、ドライ運転と再熱の両方を利用します。(ですので、再熱除湿とは言いません。)
更にリニアと言う名前の通り、同じドライ運転であっても、今までのドライ運転のような「入ってきた空気を全力で冷やす」方法では無く、「状況に応じて冷やす量を調節する」制御を行っています。また、再熱についても「全力で再熱」するのではなく、熱交換と呼ばれる部分の暖める範囲をコントロールすることによって、再熱量を最小限にする制御を行っています。
つまり、「極力最小限の電気で除湿を実現しよう。」
と、言うのがリニアハイブリッド方式の優れた点です。
ダイキンが提唱するプレミアム冷房とは?
更にダイキンのエアコンでは、ハイブリッド方式の特徴である、冷却部分をコントロールする機能を活かして、プレミアム冷房と言う手法も取り入れています。
これは、先ほどにも触れた、「まだ湿度が高いのに冷房が設定温度に達してしまって、冷房と除湿が共に止まってしまう。」と言う、近年増え続けている現象に対応できるものです。
通常のエアコンでは、エアコンはリモコンの設定温度付近になれば冷房がとまります。それと同時に除湿も止まるのが普通です。
しかし、プレミアム冷房では冷房が止まっても若干の除湿を続けられるように、一部の冷房機能だけを利用して除湿を続けると言う制御を行っているのです。
これによって、冷房が設定温度になったとしても除湿が止まっていまうという事を回避しているのです。
採用の際の注意事項
ここまでは、利点を説明してきましたが、高機能型のエアコンでは必ず知っておくべき注意点があります。
それは、このような形式のエアコンの場合は「配管が通常のエアコンよりも複雑」
と、言う点です。
加湿用の配管が一本増えるため、一般的なエアコンよりも配管が増えます。
このため、注文住宅などでうるさらが必要な場合は工事が始まる前に、使用する希望があることを伝えておく必要があります。
また後からエアコンを買い替える場合は、一般的なエアコンから買い替えると通常よりも施工費が高くなります。この点には注意が必要ですので、把握しておくべきでしょう。
まとめ
ダイキンのエアコンであれば、冷房時の問題に極力小さなエネルギー(電気代)で、最大限の除湿が可能となっています。
除湿を兼ねた冷房用のエアコンの選択肢として、とても優れていると考えられます。