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犬・ネコの命を守る!高断熱住宅

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    高断熱住宅で老犬・老猫が元気を取り戻す理由

    人間と同じように、犬や猫も年を重ねるごとに体温調節機能が衰えていきます。特に老犬・老猫にとって、室温や湿度の乱高下は身体への大きな負担になります。そんな中、高断熱・高気密住宅がペットの健康と寿命に与える影響に注目が集まっています。今回は、実際のエピソードと科学的な知見を交えながら、「ペットにとって理想の住環境」について考えてみたいと思います。

    高断熱住宅がもたらす安定した住環境

    高断熱住宅では、外気の影響を受けにくく、屋内の温度や湿度を一定に保ちやすくなります。ですので、四季を通じて快適な室温を実現できます。これは人間だけでなく、言葉を持たず体調の変化を伝えにくいペットにとっても、大きなメリットをもたらします。

    実際、ある高断熱住宅に引っ越したご家庭では、長年寝たきりだった老猫が新居に移った数日後から、部屋の中を歩き回るようになったといいます。飼い主は「以前は年のせいか殆ど動かなくなっていたのが、今は若返ったかのように活発に動くようになった」と驚いていたようです。

    犬と猫の体温調節機能とは?

    犬や猫は、私たち人間のように全身の汗で体温を調節することができません。汗腺が少なく、特に暑さに対して脆弱な構造をしているため、住環境に大きく左右されるのです。

    犬の体温調節法

    1. パンティング(あえぎ呼吸):犬が口を開けてハッハッと息をするのは、舌や口の中の水分を蒸発させ、その気化熱で体温を下げるためです。しかし、湿度が高いとこの効果が著しく低下してしまいます。
    2. 肉球からの発汗:犬には汗腺がほとんどなく、唯一汗をかけるのは足の裏。表面積が限られているため、体温調節の効果はごくわずかです。
    3. 被毛の断熱効果:毛皮は外の熱を遮断する役割もありますが、換毛が不十分だと熱がこもり逆に体温が上がることもあります。

    このように、犬はもともと寒冷地に暮らしていたオオカミを祖先に持つため、寒さには強い反面、暑さには弱いという進化的特性を受け継いでいます(Purdue Extension)。

    猫の体温調節法

    1. グルーミング:猫は頻繁に毛づくろいをしますが、これは唾液を毛に付け、蒸発させて体温を下げるための行動です。
    2. 涼しい場所への移動:猫は本能的に涼しい床や陰を見つけ、熱を逃がします。
    3. 肉球の発汗:猫も犬と同様、肉球からわずかに汗をかきますが、やはり調節能力は非常に限定的です。

    環境省や東京都警視庁の啓発資料では、猫も体温調整が苦手であり、高温多湿環境では熱中症のリスクがあるとされています(環境省資料PDF)。

    室温の変化がもたらすペットへのストレス

    犬や猫にとって、急激な気温変化や極端な温熱環境(高温多湿・寒冷)は身体への大きな負担となり、人間と同じように熱中症やヒートショックのリスクが高まるほか、寒さによっては呼吸器疾患や関節痛が悪化する恐れもあります。特に短頭種(パグやシーズーなど)や高齢の個体はリスクが高く、毎年夏になると多くのペットが熱中症で命を落としています。

    犬の熱中症による死亡率は発症後24時間以内で50%以上にのぼるとされており(Canine Heat Stroke)、単なる不調ではなく命に関わる深刻な状態になることを示しています。

    夏の熱中症と並んで見逃せないのが、冬場のヒートショックです。人間の高齢者でも、寒暖差による血圧の乱高下が原因で命を落とす事故が多く報告されていますが、ペットにとっても同様です(寒暖差で愛犬の約半数が体調不良に)。暖房の効いたリビングから寒い廊下や洗面所へ移動した際に、身体への負担がかかり、体調を崩してしまうケースがあります。

    高断熱住宅であれば、こうしたリスクを大幅に減らすことができます。エアコンと併用することで、24時間快適な環境を維持できるのです。

    停電という”想定外”への備え

    エアコンを使って室温を管理していても、停電が発生すると一気に危険な状況になります。ある事例では、夏の夕方にゲリラ豪雨と落雷による停電が発生し、帰宅したときにはエアコンが止まり、室温が上昇していたことで愛犬が体調を崩してしまったということもあるようです。

    しかし、高断熱住宅であれば、仮にエアコンが一時的に止まっても、室温の上昇や下降が緩やかで、ペットが熱中症になるリスクを抑えられます。さらに、全館空調や床下暖房を備えた住まいでは、ペットが家中を自由に移動でき、より快適な場所を自ら探して移動できるという利点もあります。

    高断熱住宅は「命を守る家」

    「ペットの家」と聞くと、キャットウォークや専用の水飲み場、足洗い場を想像されるかもしれません。しかし、これらと共に大切なのは、ペットが健康で長生きできる”命の環境”を整えることです。快適な温熱環境は、病気や事故のリスクを減らし、犬・猫が穏やかに過ごせる空間を提供します。

    まとめ

    愛犬や愛猫は言葉を話すことができないため、住環境の良し悪しを自ら訴えることができません。だからこそ、飼い主がペットの立場に立って、より良い住まいを考えることが大切です。高断熱住宅は、見た目やデザインだけでは測れない”命を支える性能”を持った家と言えます。

    「今まで寝たきりだった老猫が、自分で階段を登ってくるようになった」「老犬の震えがなくなり、歩行が楽そうになった」──そんな奇跡のような事実が、家の性能によって生まれているのです。

    ペットの健康と長生きを願うすべての方は、家づくりの選択肢に「断熱性能」という視点を、ぜひ加えてみてください。それはきっと、あなたとペットの幸せな生活の支えとなるはずです。

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