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冷房はエアコンのみで十分か?エアコンが効かない理由と扇風機の併用

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    冷房時にエアコンが効かない理由

    夏場、屋内を涼しく快適にするためにはエアコンによる冷房が必須です。

    いくら断熱性能を良くしても、風通しを良くしても、近年の30℃を超える日が多い夏場において屋内を冷やすクーラー無しで過ごすことは、熱中症の危険が伴うため避けた方が良いです。

    しかし、いざエアコンを利用しようとすると、エアコンが効かず、いつまで経っても温度が下がらない経験をされたことがある人も多いのではないでしょうか。

    これにはいくつかの理由が考えられます。

    いつもエアコンの冷房が効かない場合

    もし、いつもエアコン冷房が効かない場合、理由は明白です。エアコン自体の能力(容量と言います)が不足している。若しくは家の断熱性能が低すぎる。のどちらかです。かなり大きな容量のエアコンをつけていてもエアコンが効かない場合は、明らかに家の断熱性能が足りていません。

    それほど暑くない日はエアコンが効くが、暑くなるとエアコンが効かなくなる理由も上記と同じです。

    この場合は、エアコンを機能させる部屋の面積を小さくするか、エアコンの機器自体を出力の大きなものに変更する必要があるでしょう。

    もちろん、家自体の断熱性能を上げられると一番ベストです。

    前まで効いていたのに最近効かない場合

    以前まではエアコンをつけると、冷房が効いていないのに最近あまり効かなくなった。この場合は、エアコン自体に何らかの劣化が進んでいると思われます。多くは冷媒と呼ばれるものが外へ漏れ出たためか、フィルターの目詰まり(最近は自動で掃除するものも多いですが。)で空気の循環が上手くいっていないかです。冷房が漏れている場合は、専門の人に見て貰う必要があります。

    エアコンが効きやすい家づくり

     パッシブ設計を取り入れた、断熱性能の高い家づくりを行う事です。そうすることでエアコンが効きやすく、快適な温度を実現しやすくできます。

    【参考】新築住宅における知っておくべき暑さ対策の計画

    ただし、温度設定や使い方を間違うと、逆に寒くなってしまうことがあります。

    冷房用に使用するのはエアコンのみで十分か?扇風機との併用のススメ

    断熱性能が高い家だと、冷房時にはエアコンのみで温度をコントロールすることが出きます。しかし、夜になると冷房が効きすぎて寒い夜を過ごすことになることもあります。

    このようなことを避けるためには、どのようにすれば良いのでしょうか?

    温度設定を高めに保つための扇風機の併用

    例を紹介しましょう

    同じ人が同じ温度の部屋にいる時でも、暑く感じる時や丁度良く感じる時があります。これは何故でしょう?

    例えば、外から帰って来たとその瞬間は普段快適に感じるはずの空間に入っても暑く感じる場合があります。経験ありますでしょうか?
    また、お風呂上り等も同じ経験をすると思います。

    これは、理由が明白です。外部の直射日光の影響やお湯の影響で体がほてっているからです。

    ここで、エアコンの温度は下げるべきでしょうか?

    断熱性能が高く、エアコンのみで冷房をしている場合はこれを避けるべきです。
    単純に温度を下げると、電気代が高くなるし、過冷却の原因にもなるからです。

    では、ほてった体を元に戻してやるためにはどうしたら良いでしょうか?
    一番、早い方法は暑くて出てくる汗を除湿してやることです。

    除湿するにはどうしたら良いでしょうか?(エアコンの温度を下げると当然除湿できますが、これ以外の方法を考えましょう)
    一番簡単なのが、扇風機です。
    扇風機を浴びることで、汗の蒸発が進み、早めに火照った体が適温に戻るのです。

    汗は本来、体温を下げるために出てきます。見た目に汗と分からなくても人間はある一定の汗をつねにかいています。そしてこの汗が蒸発することによって、体温を下げているのです。

    扇風機は、この汗を早めに蒸発させるのに役立つのです。扇風機による体表の除湿効果とでも言いましょう。
    もちろん、サーキューレーターなどで屋内に気流を作る方法でも構いません。

    こうすることで、普段のエアコンの温度設定は高めに維持することが可能なのです。
    しかも、扇風機やサーキュレーターであればさほど電気代はかかりません

    24時間冷房の場合の夜間の寒さ対策

    下記のグラフを見て下さい。

    【出典】ASHRE55(アメリカ空調学会)

    この図の右側の薄い灰色で覆われた範囲が快適と感じる範囲とされています。

    下の作用温度と言うものは、部屋の温度自体を指すのではなく、体に直接感じる温度のことで、室温と部屋の壁や天井、床や窓から直接体に影響する放射温度を加味したものです。(断熱性能が低い場合は、この放射温度が高くなるため、同じ室温でも暑く感じてしまうのです。)

    この例で行くと、湿度の状況にもよりますが、24℃~28℃の間の作用温度が快適とされています。

    しかし、エアコンの設定温度を24℃にすると寒くなりすぎることがあります。

    これはどういうことかというと、エアコンは部屋の温度を下げるために吹出の時点で24℃をかなり下回る温度で冷却します。
    そして、エアコン本体が24℃付近を感知して始めてエアコンが止まるのです。

    エアコンは通常、部屋の上部についています。
    エアコンによって噴出された冷たい空気は重いので、下部に下がります。これが上手く攪拌されないと、下部で冷たい空気がたまり、エアコンが24℃を感知した時には、床付近はもう少し低い温度になってしまうのです。

    こうした理由から、夜間の温度設定は少し高めに設定する方が良いのです。

    同じ部屋で複数人が夜間を過ごす場合、(主に代謝の影響で)人によって、暑い寒いの感じ方が違う場合があります。

    エアコンの温度設定を高くすることで、暑いと感じる場合はその人だけに風が当たるように扇風機を利用する手もあります。ただし、扇風機は一晩中当たっていると、こちらも体温を下げるすぎる可能性があります。

    こちらの研究では、夜間は冷房温度を低く設定するよりも温度を少し高めにして一定にする方が良く眠れるとされます。

    【参考】夏期の睡眠時における最適な冷房条件に関する実験的研究

    つまり、扇風機もタイマー運転とし、寝入ったら切れるようにしておいても良いでしょう。(更に、汗をかきだすころに再度運転が始まるように設定できると尚良いでしょう。)

    あまりにも感じる温度が違う場合は、部屋を別にして別空調機とすることも、一つの手段です。(この場合は別途エアコンの電気代が掛かってしまいます。)

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