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健康な住宅はお得でもある?

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    日本の住宅は世界からかなり遅れている!?

    これから家づくりをするにあたって、様々な選択肢が出てきます。

    キッチンをどんなものにしようか?
    家の外観はどのようなものにしようか?
    耐震性は高い方が良いだろうか?

    などなど、楽しみ半分、不安半分と言ったところでしょうか。
    元々、地震大国の日本。こと耐震に関しては世界でもトップクラスと言ったも良い技術があります。
    また台風が多いこともあって、早くから防水についても様々に研究され、雨漏り被害も随分少なくなりました。

    そんな日本の住宅事情で、世界の中でもかなり取り残されてきたものがあります。
    それが断熱性能。これは先進諸国の中で最も日本が遅れているのです。

    例えば、2019年に発表された以下の論文

    “Cross-Sectional Analysis of the Relationship Between Home Blood Pressure and Indoor Temperature in Winter -A Nationwide Smart Wellness Housing Survey in Japan-“

    こちらは世界で初めて、室内温度が人間の血圧に影響することを立証した日本の研究報告です。
    とても新しい発見なのですが、この発表に至るまでのプロセスはかなりの苦労があったそうです。

    何故かと言うと、この中に出てくる日本の住宅の室温があまりに寒すぎて、この論文を評価する人々が口々に「こんなに異常に寒い家が、先進国である日本にあるはずがない」と言って、論文を却下してしまうそうです。

    つまり、先進諸国から見ると日本の住宅はそれだけ異常なのです。

    国が認める健康な住宅とは?

    高断熱住宅にすることで、様々な疾病予防に繋がります。温度が高いことが体に良い影響を与えるのです。このことは、直接医療にも繋がることから、詐欺まがいの怪しい健康療法と間違われないように国がキチンとした形でその良さを認めています。

    例えば、下記のチラシは建築を司る国交省と健康を司る厚労省が共同で作成したチラシとなります。

    どこかの企業が一方的に「健康だ!」としているようなものではなく、キチンと国としてどんな風に健康に影響を及ぼすのかが明確に書かれています。

    寒い場合のヒートショックの防止だけに限らず、熱中症の予防や身体活動が活性化することも明記され、断熱性能が高いことで住まい手の健康づくりに繋がることがハッキリと謳われています

    健康なことと快適なことは違う!!

    さて、ここで気を付けるべきことがあります。
    それは、体が実際に健康な状態を保てることと、快適に感じる感覚とでは違いがあるという事です。

    気持ち良いと言う感覚はとても曖昧なもので、例えばタバコや油の取りすぎ、塩分の取りすぎに代表されるように必ずしも健康とは一致していません。

    夏、暑くても窓を開けていて風が吹けば一瞬ふと気持ち良さを感じます。しかしその気持ち良さとは裏腹に窓を開けているだけでは室温が下がらず、暑い状態でずっといると知らず知らずのうちに熱中症にかかることもあります。

    まして高齢になると、温冷感覚が鈍ってきます。このため、本当は暑かったり寒かったりしても感覚として感じることが出来ないがために危険な状態に陥ることもあります。

    つまり、自分の感覚で良いと思っていることでも、実際には体に悪影響であることが多々あるのです。

    冬場寒いのを我慢することが美徳とされてきたことがありますが、これは医学的には何のメリットもなく寧ろ、先の論文の発表にあるように悪影響があるのです。

    余談になりますが、「寒風摩擦」と聞くと下記のようなイメージがあって、寒い中でも外でゴシゴシやると体が鍛えられると言う意味だと思っている人が多いのではないでしょうか?

    寒風摩擦
    寒風摩擦??


    実はこれは大きな勘違いで、実際には寒風摩擦と言う言葉は存在しません。
    正式には、「乾布摩擦」が正しい日本語で、乾いた布でゴシゴシやると体に良いと言うところからきているのです。

    ノンエナジーベネフィットによってお得になる!

    断熱性能の高い家は、通常は暖房や冷房が効きやすくなるため省エネに繋がります。
    このことを専門的にはエナジーベネフィット(EB)と呼びます。

    これに対して、断熱性能が高いことで健康になり、その分医療費がかからなくなると言うメリットも生まれます。これはノンエナジーベネフィット(NEB)と呼びます。

    省エネの場合は実際に光熱費と言う形で結果が出るので比較的把握がし易いのですが、ノンエナジーベネフィットはなかなかメリットとなった費用を見積もるのが難しい部分があります。

    そこで、参考になるのが以下の論文です。

    住宅内温度に応じた医療費推定法の提案と医療費を考慮した経済的な住宅断熱性能の検討

    こちらの論文によると4人家族で考えるとG2程度の断熱性能にした上に熱交換換気扇の住宅とすると、断熱の対策をしない住宅に比べて年間8万円ものメリットがあることが示されています。
    この分を建築費に充てることが出来るのです。

    参考にされてみては如何でしょうか?