省エネ住宅は必須になったのか?省エネ性能の説明の義務化とは?
省エネ住宅にすることが義務になったのか?
2021年現在、新築住宅を建てる個人が必ず省エネ住宅にしなければならないという事にはなっていません。
しかし、菅総理が掲げた2050年までにカーボンフリーの社会を実現するために2030年にはゼロエネルギー住宅(ZEH)を新築住宅で100%にしようと言う計画が国交省、経産省、環境省を含めた検討会で話し合われています。
これに向けた義務化が今後どんどん進んでいくものと思われ、省エネ型の住宅にしておくことは、これから新築を考える方にとってはおススメです。 しかし、一体どんなレベルの省エネ住宅にするべきでしょうか?
省エネの説明の義務化とはなに?
2021年現在、義務になっているのは住宅を提供する側の説明義務です。
この説明義務、一体何かと言うと『建物を設計をする際に建築士(あるいは住宅供給者)が行わなければならない説明』のことで、これから建てる住宅の省エネ性能が、決められた基準を満たしているかどうかの説明を行う事になっています。
この説明の中には、あなたのこれから建てる家の断熱性能や暖冷房機器、換気扇、給湯、照明の種類やその省エネ性能が示されていて、結果的な省エネ性能がどの程度のものなのか、基準を満たしているのかが内容として表示されます。 詳細な説明は、国土交通省が発行するこちらの漫画が参考になります。
国土交通省
省エネ住宅に適合するためのレベルは低い!
では、満たすべき基準とは一体どんな省エネ性能なのでしょう?
先に結論から言うと、ここで満たすべき省エネ住宅とは、かなり性能が低いものとなっています。ですので、ここでの基準を満たしたからと言って、地球温暖化を防げるような省エネに貢献できたとは言い難いものとなっています。
これは海外の様々な国の基準と比べても、かなり低く恥ずべき基準となっています。
[リンク]「あなたのお住まいに必要なUA値とは?」
では、Heat20が提唱するG2性能を満たした住宅をおススメしています。
こちらの基準の特徴としては、断熱性能のみの目安を示した基準となっていますが、G2性能を満たす住宅であれば、上に挙げた暖冷房機器、換気扇、給湯器、照明について殆ど何の工夫もなしに基準を満たしてしまいます。
省エネ性能の計算方法
この省エネ性能は、WEB上に公開されている「エネルギー消費性能計算プログラム」と言うもので、計算することが可能です。
引用「エネルギー消費性能計算プログラム」
国立研究開発法人建築研究所
これを利用して、実際に計算をおこなってみました。
最初のデフォルト値から、以下の部分だけ変更しました。
【照明 全ての居室でLEDを使う】
これだけの変更で、あとは元の基準値と何も変えていません。
計算結果はこちらです。
『設計一次』となっている部分が、『基準一次』の数字を下回っていることが分かります。
これでも、基準を達成したと言って良いことになっているのです。。。。
今、世の中に照明はLEDしかありません。ですので、新築住宅を建てる時に照明がLEDになることは必須なのです。その必須項目を入力して計算するだけで基準達成となってしまいます。
デフォルト値では、『暖冷房』はエアコンでどんな性能のものでも良いことになっています。『換気扇』は建築基準法で定められた必要最低限のものです。『給湯器』は今では旧式と呼ばれるようなものがデフォルトになっています。もちろん『太陽光発電』はありません。
このような最低限の状態でも基準をクリアしてしまうのです。
国交省は何を考えているのでしょうか????
如何に低いレベルの省エネ基準か分かるかと思います。。。
ですので、これから新築住宅を建てる人は今回、説明の義務化となっている基準を満たしているだけで満足するべきではありません。目指すのであれば、断熱性能はG2性能、省エネ性能はZEH性能を目指しましょう!