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G2高断熱住宅における夏の室内温度の調査結果

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    G2高断熱住宅における室内の温度

    調査した家の概要

    今回調査した家は、兵庫県淡路市にあるG2性能の高断熱住宅です。
    詳細は冬に計測した下記のブログに掲載していますので、参考にして下さい。

    G2高断熱住宅における冬の室内温度の調査結果

    50坪程度の延べ床面積で、吹抜けを合わせると56坪程度の大きさとなります。

    リビングには大きな吹抜けと開口がある

    東側に大きな窓があり、日射による影響が気になるところです。
    この大きな窓が影響して、朝に室温が大きく上がってしまうのでしょうか?

    エアコンの設定温度と外の気温

    夏には2階の廊下にあるエアコンと、リビングに設置されている床下エアコンの2台があります。
    これ以外の個室には、エアコンは設置されていません

    今回は2階のエアコン1台で冷房した場合と、2階のエアコンと1階リビングの床下エアコンを同時稼働させた場合の調査を行っています。

    吹き抜け
    2階廊下に設置されたエアコン

    8月1日~8日までは2階の廊下に設置されたエアコンのみの稼働。
    9日~15日はこれに加えて、床下エアコンを28℃設定にて稼働しています。

    この期間、8月4日と5日にとても暑い日がありましたがそれ以外の期間は似たような温度状況となっています。

    各部屋の室温と外気温の状況は?

    それでは、測定した結果を見ていきましょう。

    2階のエアコン1台運転の場合の室温

    2階のエアコンを24時間稼働で冷房運転させた結果が上のグラフの8月1日~8日までの期間です。

    とても暑い日があったにも関わらず、6日以外は30℃を上回る時間帯は殆どありません

    28℃程度が快適な温度ですので、概ねこの範囲内に入っています。
    6日は外の温度が比較的低いにも関わらず、室内の温度が30℃を上回ってしまっています。
    この日は午前中に雨が降ったためその影響で外気があまり上がらなかったと考えられます。
    それに対して、屋内の温度が何故上がったのかについては謎です。
    この詳細については、現在の所分かっていません。

    6日以外の日についてはとても安定した室温になっています。

    大きな窓の日射の影響は?

    これだけ大きな窓があると、朝に暑くなるのではないか?
    と言った心配が出てきます。そこで、特に暑い4日の一日の温度変化を見てみます。

    8月4日の一日の温度変化

    朝の6時ごろから10時ごろにかけて、外気温の上昇と共に1階KDKの温度が上昇しています。この間、28.7℃が最高の室温になっていて、それほど暑い温度にはなっていません。

    つまり、東側に大きな窓がある割には室温はそれほど影響を受けていないことが分かります。

    つまり、2階の廊下のエアコン1台だけの冷房でも十分に快適な室温を実現することが可能であると言えそうです。

    更に床下エアコンで冷房した場合は?

    次に、8日以降を見ていきます。
    8日以降では、床下エアコンを更に28℃設定で24時間冷房稼働させています。
    この期間、とても暑い日が無かったのですがさらに室温が安定していることが分かります。

    温度が下がりすぎることも無く、暑くなりすぎることも少なくなっています。
    つまり、エアコン1台でも十分に冷房は可能なのですが、2台のエアコンを利用して冷房した方が室温が安定しやすいという事が分かります。

    ただ、問題なのはこの間の電気代の違いです。

    ここで詳細は書きませんが、やはり1台で冷房した方がトータルの消費電力は安くなります
    この理由については様々な原因があるのですが、詳細については改めて問い合わせて頂けたらと思います。

    実際に住んでいる人の声

    数値上は快適に過ごせていることが分かります。
    実際に住んでいる人の感想を聞いてみると以下のようなお話がありました。

    「部屋でこもっていると、少し暑い感じがするときがある。」
    「設定温度を低くしすぎると寒く感じる。」

    このように感じることがあるようです。
    個室にいると、自分自身が発熱するので恐らくそのせいで暑く感じる時があるようです。その時にどうするのかを訪ねたところ、以下の様なお話でした。

    扇風機を使うと、かなり涼しくなります。」

    つまり、個室では室温調節をすることが難しくなります。
    なので、室温自体を調節するのではなく、気流を当てることで汗を蒸発させて体温を下げることで、快適に過ごすことが出来るようです。

    まとめ

    室温の計測結果を纏めると以下になります

    • G2性能の住宅ではエアコン1台の冷房で室温は快適に保てる
    • エアコンを2台利用すると更に温度は安定するが消費電力が高くなる
    • 個室にいると少し暑さを感じる。その場合は扇風機を利用する

    以上、参考にしてみて下さい。