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新築の場合ガスとオール電化どっちがおすすめ?

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    家を建てるにあたって、オール電化にするべきか、ガスにするべきか

    以前は両者を比較することに、一定の意味がありました。

    しかし、カーボンニュートラルを目指すことになった日本において、今後はこの比較があまり意味を持たなくなってきます。今回は何故そうなったのかを説明致します。

    日本は今後、電化社会になる?

    2050年までにカーボンニュートラルな世界を目指している日本。これは、将来的に石油や石炭、天然ガスを利用しなくても良い社会にしていこうという事です。

    このような取り組みはヨーロッパで特に進んでいて、EU諸国ではEU全体でがーぼんニュートラルな世界にすることに取り組んでいて、日本よりも遥かに早く進んでいます。

    日本で現在カーボンニュートラルに向けて検討されているのは電化を進めることです。これは何を指すかと言うと、エネルギーを極力電力に頼った社会にしようという事です。車においては、電気自動車やプラグインハイブリッドのみの生産に切り替えようとしていることが事例の一つです。

    この背景にあるのは、将来的にカーボンニュートラルにするためには個人レベルでの灯油やガスの使用を控えて、発電所や大型工場などで使用される石炭、石油、ガスのみしようと言う考え方です。

    大型工場や発電所で使用した石油・石炭・ガスなどのエネルギーは二酸化炭素を発生します。この発生した二酸化炭素は、上手く閉じ込めて地中に返すと言う技術(CCS)で対処する検討がなされています。

    詳細はこちら「https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccus.html」 そして、日本全体ではなるべく電化を進めて、電力自体は石油・石炭・ガスを使用する火力発電を止めて、それ以外の方法で電力を発電することでカーボンフリーを実現しようとしています。

    太陽光があるなら絶対オール電化

    今後のカーボンニュートラルに向けた日本の動きを見ていると、ますますガスの利用が減っていくと予想されます。利用が減っていくと当然その分、少なくなった利用者でコストを負担することになるので、ガス料金は上昇することになると予想されます。これは都市ガスにおいても、プロパンガスにおいても共通して言えます。

    もし、ZEH住宅にするなどで太陽光発電を設置するのであれば、極力ガスとの併用は避けるべきでしょう

    と、言うのもガスを導入する場合は、ガスの配管工事が追加で必要になり、ガスの基本料金も常に掛かることになります。その上、ガス料金も上がるのであれば光熱費や工事費用の両方の点においてデメリットとなるからです。

    太陽光発電であれば、晴れている日は電力で家に必要なエネルギーは賄えます。

    また、太陽光発電を導入するのであれば、必ず導入が必要なのがエコキュートです。今現在は、このエコキュートはお湯を沸かす時間を夜間に設定するタイプの機器が多いですが、本体の時間をずらして昼間に沸かせるようにするのです。

    こうすることで、発電された電力を無駄に売ってしまうことなく、自宅で消費することが可能になります。(今は売るよりも自宅で利用する方が得になります。)

    また、電化が進んで将来的にEVカーやプラグインハイブリッドになれば、これらが蓄電池の役目をしてくれます。(ちなみに蓄電池は今の段階では非常に高価なのでとりつける必要はありません。)つまり、将来的には夜に必要な電力も太陽光発電で賄えることになるのです。

    将来的には車に昼間発電した電気を貯める

    また、更に進んだ議論として、将来的には天候不良などで電力が不足する家庭に対して、一般の家庭から電力を融通しあうシステムも考案されています。(ドイツの一部都市では実現されています。)

    要は自宅で余った電気を、個人間で売買が出来るようになるのです(メルカリの電力版みたいなものです。) ますます、自家発電が重要な世の中になっていくのです。

    ガスを併用する場合の注意点

    とは言うものの、まだまだガスも捨てたものではありません。

    何せ料理にこだわりがある家庭ではガスは必須と言う家庭もあります。

    ガスとIHでは、物に熱を伝える原理が違います。また焼く温度自体も制御方法の違いで変わります。ガスの方が高温なので、コンガリ・カリっと仕上がるのはこのためです。

    カリっとコンガリ焼ける!

    つまり調理目的でガスにすることは大いにあり得ます。また、最近ではガスを利用して衣類の乾燥をしたり、ガスでご飯を炊きたいと言った場合もあるでしょう。この場合はガスの高温を利用したメリットが生まれてきます。

    ここで注意が必要なのは、いずれ電化が進んだ時にいつでもIHや電力に切り替えられる準備をしておくことです。準備と言っても簡単です。事前にコンセントを仕込んでおけば良いのです。こうすることで、将来にも備えた建物が出来る訳です。 また、ガスを併用する場合でもお風呂などのお湯を沸かす機械はエコキュートにしておくべきでしょう。エコキュートは最新式のものであればガスを利用するエコジョーズよりも省エネで、光熱費も安くなります。

    非常時に役立つのはガス?電気?

    よく、ガスを併用するメリットとして停電時に役立つと言う話があります。

    これは実際どうなのでしょうか?

    地震などでインフラに支障があった場合、電気やガスが止まることがあります。電気が止まればガスが使えるし、ガスが止まった場合は電気が使える。と言ったようなメリットが挙げられます。確かにこういった場面を想定すれば、そのようなメリットが生まれるのですが、このような状況が生まれるがために果たして沢山かかる光熱費を負担するべきでしょうか?

    仮にガスが緊急時に使えたとしても、お湯を沸かしたり、火をおこすのには使えますが、それ以外のエネルギーとしては使えません。(エネファームは別)ですので、テレビは見れませんし、携帯の充電にも利用出来ません。

    もし、本気で災害に備えたい場合は、太陽光発電を予備の電源として確保しておく方が様々な利用が可能となります。 (そして地球温暖化防止にも役立ちます)

    参考にしてみて下さい。