ヒートショックは交通事故よりも怖い!健康安全に暮らせる住宅とは?
近年のヒートショックによる屋内事故
近年は交通事故による死亡者の数が年々減ってきているのはご存じでしょうか?
今では年間3000人を割っています。
これは、自然災害などを除いた屋外での死亡が減ってきていることを示します。すると今度は屋外以外の場所で亡くなる人の数が増えるはずです。
実際に増えているのが、家の中での屋内死亡事故です。交通事故の4倍も屋内の死亡事故が多いのです!
最近では夏の熱中症が話題になることが多いですが、実際にはこの熱中症で亡くなられる方はそれほど多くありません。(救急搬送される方の数は年々多くなっています。)
屋内における死亡事故で特に多くを占めるのが、『転倒』および『ヒートショック』による事故死です。これは交通事故と同じく特に高齢者に多いことが分かっています。
これらは年々その数が増えて、大きな問題となりつつあります。
ヒートショックとは、またその原因は何なのか?
よく聞くヒートショックですが、これは一体何なのでしょうか?ヒートショックが発生しやすい、お風呂を例に見てみましょう。
こちらのグラフ、何を意味しているのかと言うと、お風呂に入る前からお風呂を出た後までの血圧の変化を示すグラフです。
例えば青色の線に注目します。
<脱衣室や浴室の中の温度が10℃で寒い場合>
(グラフを左から順に見ていくと)
お風呂に入る前の脱衣所では服を着た状態なので、通常の血圧です
→服を抜脱ぐと急に血圧が上がり、更にお風呂に入って洗い場においても血圧が上がったままとなっています。
→その後、浴槽に浸かると今度は急に血圧が下がります。
→更に浴槽から出て、脱衣室に戻るとまた寒さで血圧が上がります。
→その後、服を着ることによって再度血圧が下がる。
つまり、浴室の温度が10℃程度の寒い場所だった場合、これだけ血圧の変動が激しいことを意味しています。そして、ヒートショックはこの血圧が大きく変動した時に発生しやすいと言われています。
更にこのグラフの赤い線を見てみると、
<脱衣室も浴室の中も居間と同じくらい暖かい場合>
今度は血圧の変動が殆どありません。
つまり、同じ浴室でもキチンと他の部屋と同じ程度に暖かくしていた場合には血圧の変動がそれほど激しくなくなるのです。
ヒートショックの原因は急な温度変化であり、温度を安定させることがヒートショックを未然に防ぐ方法なのです。
健康安全に暮らすために必要な、室内温度とは?
急な温度変化がヒートショックの原因なのですが、ヒートショックを未然に防ぐためには、どのような温度設定にすれば良いでしょうか?
これは、スマートウェルネスハウス調査の結果が参考になります。
こちらの調査は、5年間かけてこのヒートショックの要因となる『血圧変動』と『室温』との関係を明らかにすることを目的として行われました。全国で断熱リフォームの前と後で調査を行っています。
こちらの調査で、様々なことが分かってきたのですが、それらを列挙すると以下です。
- 断熱をした暖かくなりやすい住宅にリフォームすると、血圧が3.5mmgも低くなった。
出典:国土交通省報道発表資料 - 寒い家に住んでいる人の方が、暖かい家に住んでいる人よりも総コレステロール値、LDLコレステロール値が高く、心電図異常所見も多い。
- 寒い家に住んでいる人の方が、夜中によくトイレに起きる
- 18℃未満の環境に住む人と、18℃以上の環境で住む人とでは、肩こりの割合が寒い家の方が多く、3.2倍、腰痛の割合が2.0倍。
- 部屋の温度を高くするよりも、床面の温度を高くする方が高血圧の割合が減る。
- 温度上昇によって、家の中での活動が活発になる。
- リビングだけ暖かくしている家庭よりも、リビングと寝室の両方を暖かくしている家庭の方が血圧は低く、温度が高い方が血圧も低い。
- 高齢になるほど、血圧が高くなるが、温度を高くすると血圧が下がる幅が大きく、効果も高くなる。
と、言ったことが分かっています。
そして、これらの調査を通してご高齢の方でもヒートショックになり難く、健康的で安全に暮らせる温度としては、22℃程度が望ましいことが分かりました。
冬場において、家中を暖かく22℃にしようと思った時。家を断熱せずにこれを達成しようとすると、かなりの光熱費が掛かってしまいます。
ですので、光熱費をかけずに、体には優しく、更に快適に過ごそうと思った時には、高断熱化することがとても重要なのです。
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