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ダブル断熱にするべきか?専門家による効果とデメリットの解説

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    ダブル断熱とはなにか?

    最近、ダブル断熱とかW断熱工法と言った名前をよく聞きます。
    このダブル断熱、いったいどういう意味なのでしょうか?

    簡単に言うと、「断熱をどのように家の中に入れるかの手段の1種」です。
    ダブルと言う名前だけあって、二重に入れるということですね。

    では、どこに入れることを指すのでしょう?
    実際には2種類ありますが、ここではその内の代表的なものをご説明致します。

    通常、木造住宅やハウスメーカーにおける軽量鉄骨造の住宅では、断熱をする場合は「柱と柱の間」に断熱材を入れることが一般的です。

    断熱材の施工状況

    横から見ると、下の絵ような感じになります。
    これが普通に断熱を一重に入れた場合です。

    断熱材の施工状況

    しかし、これだと断熱材の厚さは最大でも柱の太さ分しか入れられないことになります。例えば、北海道のような寒い場所で、もっと断熱したい場合はどうしたら良いでしょうか?

    そこで考え出されたのが、ダブル断熱とか、付加断熱と言われる方法です。

    さっきまでは柱の間にしか断熱材が無かったのですが、今度は壁の外側に断熱材を入れることにします。
    ダブル断熱にするとこんな感じです。

    ダブル断熱の絵

    如何でしょうか?これがダブル断熱です。

    ダブル断熱の効果とデメリット

    ダブル断熱にすると何が良いのか?その効果とは?

    ダブル断熱にするとどんなメリットがあるのでしょうか?
    まずは、誰が考えても分かりそうなところからいきますと、ダブル断熱にすることで、断熱性能が上がります。

    断熱性能は、UA値と言う値で表現されます。
    普通UA値は数値の低い方が性能は上です。
    そして、UA値は断熱材を厚く使えば使うほど数値が低くなります。
    なので、ダブル断熱にすることで、低いUA値の実現が可能になるのです。

    <断熱性が良いと何が良いのか?>

    これは、魔法瓶を考えると分かりやすいです。

    しっかりと断熱された魔法瓶なら、中に入っている暖かいお茶や冷たいお茶が長くぬるくならずに保てます。これと同じで、家の断熱性能を上げると、暖房や冷房した空気が長い間ぬるくならなくて済むのです。

    ダブル断熱には欠点がないのか?

    断熱材を厚くすればするほど効果が高いなら、ダブル断熱の方がかなり良いように思います。しかし、これには何かデメリットは無いのでしょうか?

    家の快適性を実現したい場合、冷房や暖房による熱を逃がさないようにするためには、断熱性能を良くしてやると良いです。

    例えば、北海道のような12か月の内8か月も暖房しているような場所であれば、かなり有効と言えます。

    しかし、大阪や東京などの夏がある場所では、断熱だけを考えていたのでは快適な家には出来ません。

    家の中の冷房の熱を逃がさないだけでは足らないのです。

    家の中だけでなく、家の外から入ってくる太陽の日射による熱を防いでやる必要があるのです。

    太陽からの熱は馬鹿になりません。よく聞く話としては夏場に屋根に登るとかなり熱くなっていて、卵焼きが焼けると言った話があります。卵焼きが焼けると言うのは、かなりオーバーな話ですが、屋根の表面の温度は70℃近い温度になっています。それだけ、太陽の熱はパワーが凄いのです。

    そして、この太陽からの強烈な熱はどこから入ってくるのでしょうか?

    大きいのは窓ガラスからです。

    この窓ガラスからの熱を上手く防いでやらないと、断熱材だけを厚くしたのでは快適にはならないのです。

    先ほど、北海道では断熱が有効と言う話をしましたが、北海道においても窓の断熱をしないわけにはいきません。

    折角、断熱材を厚くしても窓から熱が大量に逃げてしまうようでは、暖かさを保つことは出来ませんし、窓から大量に熱が逃げるような状況では、結露も大量に発生してしまう危険性も出てきてしまうのです。

    「ダブル断熱」と「窓の断熱」を比較してみると

    同じ家で、ダブル断熱をして窓の断熱をしなかった場合と、一般的な断熱をして、窓を断熱した場合のUA値を比較してみます。

    比較に使うのは、ごく一般的な説明用資料として使われる下の住宅です。

    計算条件は以下です。

    窓のみ断熱強化

    • 外壁:充填高性能グラスウール16K105mm
    • 窓:樹脂サッシ三層Low-E2枚 Ar16 樹脂スペーサー Uw=1.13

    ダブル断熱

    • 外壁:充填高性能グラスウール16K105mm +押出法ポリスチレンフォーム30mm
    • 窓:金属・樹脂複合Low-E複層ガラス Ar14以上 Uw=2.33

    これら以外の断熱仕様は同じで下記とする。

    • 玄関ドア 金属製ドア/ガラス・ポストなし U=6.51
    • 天井の断熱 充填グラスウール16K105mm U=0.49
    • 床の断熱   根太間 押出法ポリスチレンフォーム1種30mm U=1.03
    • 基礎の断熱 ベタ基礎/無断熱
    • 木材比率はどの箇所も同じ

    それでは、結果を見てみましょう。

    <ダブル断熱(窓は複層ペアガラス(普通の窓))>

    UA計算の結果 『0.66

    <窓のみ断熱強化(普通の断熱で窓は樹脂サッシトリプルガラス)>

    UA計算の結果 『0.66

    どちらも同じ断熱性能になることが分かります。

    この状態で、両方の家の中で鍋や大勢の人が集まって、大量の湿気が出てきた場合。

    樹脂サッシトリプルガラスでは滅多に結露は発生しないのですが、これに比べて普通の窓であれば、結露が発生してしまう危険性が高くなります。

    この結果から、ダブル断熱をする場合は窓の断熱性能も確保することが大切になるのです。

    また、夏場の対策としても窓の性能を良くする方が、太陽からの日射熱を遮る能力(遮熱性能)が高く、有利になる可能性が高いです。

    ダブル断熱の費用対効果の確認

    一般的には

    費用対効果 = イニシャルコスト(初期投資) + ランニングコスト(住んでいる期間に必要な費用)

    です。

    先ほどの例では、「ダブル断熱で窓は複層ペアガラス(普通の窓)」と「普通の断熱で窓は樹脂サッシトリプルガラス」では、殆どUA値が一緒でした。これは、冷暖房に掛かる光熱費については、殆ど同じであることを意味します。

    つまりランニングコストには大きな違いがありません。
    ではイニシャルコスト(建築費)についてはどうでしょうか?

    こちらについては、その企業がどれだけダブル断熱を実現するために費用をかけているのかと、断熱性の良い窓にするためにどれだけの費用が掛かるのかで違ってきます。

    願わくは、この両方の見積もりを提示して貰えると比較が可能となりそうです。

    ここでイニシャルコストがそれほど大きく違わないのであれば、結露の危険性が少ない方に軍配が上がりそうです。