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蓄熱を有効に活用する方法

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    蓄熱とは?

    蓄熱と言う言葉は、普段はあまり耳にする機会が少ないと思います。
    しかし、新しい家を建てる際にはこの蓄熱性能のある材料について、知らない間に検討している場合があります。

    この蓄熱とは、一体どんなものなのでしょうか?

    蓄熱材とは、一般的には「熱を蓄えることの出来る材料」を指しています。
    最も良く利用される材料としては「水」が挙げられ、エコキュートでお湯と言う形の熱を蓄えるために利用されています。

    何故、熱を貯めることが必要になるのでしょうか?

    例えば、エコキュートであれば従来では、『夜間の安い電力でお湯を沸かして、その熱を貯めておいて、日中に利用する。』ことを目的としていました。
    つまり、熱を時間をずらして利用するために蓄熱を行うのです。

    これと同じことが、暖房や冷房でも可能となります。
    例えば、暖房であれば日中の太陽からの熱を貯めておいて、夜間に利用する方法などが考えられます。

    蓄熱に利用できる材料

    蓄熱をするためには、材料に熱を貯めることが出来るものを利用します。
    材料に熱を貯める能力は、【容積比熱】と呼ばれる値が大きい材料が貯める能力が大きいとされます。

    最もこの値が大きい一般材料が「水」です。
    この他にも、コンクリートやガラス、漆喰やタイルなどが容積比熱の大きな材料となります。

    漆喰やタイルには蓄熱効果が期待できる

    ただし、これらの材料は分厚くすればするほど熱を貯められるかと言うとそうではなく、熱を貯めることが出来る厚みが決まっています

    コンクリートやガラス、漆喰やタイルであれば、概ね15cm程度の厚さまでしか効果がありません。それ以上厚みを増やしても効果が変わらない限界があるのです。

    とはいえ、家を建てる際にこれらの材料を15cmも分厚くすることはほとんどありませんので、コンクリートやガラス、漆喰やタイルを使えば蓄熱効果が期待できると考えて良いでしょう。

    蓄熱効果を期待できる場所は意外と少ない?

    蓄熱は、暖房にも利用することが可能です。
    しかし、この場合は冬場に十分な太陽からの熱が期待できる地域に限られます。
    そのため、公式に蓄熱効果を期待できる地域が定まっています。

    例えば、大阪で公式に蓄熱効果が期待できる場所は、『能勢町、四条畷市』しかありません。ある程度、標高が高い場所でそれほど住宅が密集していない地域に限られているのです。大阪市内や堺市などの大部分の人が住む地域では、太陽の熱を日中に貯めて利用するといった設計手法は利用できないことになっているのです。

    兵庫県についても代表的なところでは、『赤穂市、小野市、加古川市、加西市、三田市、三木市など』が定められていますが、神戸市や尼崎市などの代表的な都市は暖房時の蓄熱効果が期待できる場所とはされていません。

    つまり、冬場に太陽からの熱を家の中に貯めて夜に利用できる地域は、かなり限られているのです。

    蓄熱と太陽光発電を上手く利用する方法

    では、結局蓄熱は暖房には利用できないのでしょうか?
    実はそうではありません。

    家の公式な省エネ性能を評価する際には、蓄熱と言えば太陽からの熱を貯めて利用することのみが評価されますが、熱を貯める方法は他にもあります。

    最近では、ゼロエネルギー住宅(ZEH)であれば太陽光発電が必ず搭載されます。そして、高断熱住宅の場合この太陽光発電で発電した電気は普通に利用する分には余ることも多くなります。

    この余った電気は、余剰電力として買い取ってもらうようりは、近年においてはなるべく自宅で消費する方が得になります。

    ですので、日中にどれだけ太陽光発電で発電した電力を利用できるかが省エネの大きなポイントになっているのです。

    一つの利用方法として、以前、太陽光発電で発電した電力を利用してエコキュートにお湯を貯める方法を紹介しました。

    エコキュート太陽光発電の組み合わせがおすすめな訳

    更なる利用方法として、暖房や冷房に利用する方法が考えられるのです。
    蓄熱の良いところは、暖房だけに利用できるのではなく、冷房にも利用できるところです。

    漆喰やタイルといった材料を家の中に多く利用すれば、それだけ熱を貯める事が可能となります。家の中に漆喰やタイルと言った材料をふんだんに利用することで、日中の太陽光発電で発電した電力を利用してこれらの材料を暖めてやるのです。普通以上の電気が必要になるので、電力の余りを少なくすることが可能なのです。

    そして、日中に貯めておいた熱を発電の出来ない夜間に利用する。
    こうすることによって、暖房や冷房に対する蓄熱利用が可能となるのです。

    ただし、この場合でも雨や曇りの多い地域では効果が少なくなります。
    漆喰やタイルを多く利用することは、それだけ暖房や冷房に必要な電力が多く必要になる事を意味します。

    ですので、あまり多くの発電が望めない場所の場合は効果が期待できないこともあるので、注意が必要です。

    逆に、漆喰やタイルを多く利用する計画の場合は、「太陽光発電」と組み合わせることで、省エネに貢献できる可能性があることを知っておくと良いでしょう。