部屋を仕切る場合と仕切らない場合の温度の広がりの違い
床下エアコン1台で暖房をする場合、例えば寝室や子ども部屋のドアは開けっ放しの方が良いのでしょうか?それとも閉めていても暖かさは維持されるのでしょうか?
既に床下エアコンを導入して過ごされている方の話を聞くと、あまり気にしなくても暖かいようです。では、ドアを締め切った場合、どのような温度分布の違いとなるのかをシミュレーションによって確認したいと思います。
間仕切りとドアの位置
まず最初に、部屋のある場所と間仕切り、ドアの位置を確認したいと思います。

1FはLDKがあるので、間仕切りやドアは少ないです。
上の画像の右側に客間があるため、赤い矢印の1か所とトイレの1か所の合計2か所だけ、ドアで仕切られている形になります。
床下エアコンは上の画像の左側中央付近にある四角いグレーの箇所から吹き出しています。

2Fは個室やトイレ、洗面やお風呂などがあるため、上の画像の赤矢印で示したように合計で6か所のドアが存在します。
因みに左上の何も表示がない場所は吹抜けです。
計算の前提
計算の前提は基本的に前回や前々回と全く同じです。
<参考> 床下エアコンの効果を目で見る(冬編①)
床下エアコンの効果を目で見る(冬編②)
・家の隙間は限りなくゼロ 実際の気密測定でもC値はかなり低い。
・リビングの天井にシーリングファンがあるが、これは停止しているとする。
・実際には窓から太陽の日射が入るが、夜を想定して日射の影響は無しとする。
・窓は開けていないものとする。
・床下エアコン1台による暖房による空気の流れ、熱交換換気扇による空気の流れの2つが存在する。
・家の外は、真冬の3℃を想定。
・24時間暖房運転が行われている。
また、住宅の性能につても前回と同様U値0.40程度です。
ドアを開け放した場合の温度分布
まずは、ドアを開けっぱなしにした場合の温度分布を見てみたいと思います。
前回と異なるのはLDKや吹抜け、2Fホールだけの表示であったところを、個室も含んで表示しているところです。

1Fの床は17℃~20℃程度の温度分布が広がっていることがわかります。
下の方が空白になっているのは、土間のため温度が異なるためです。
奥側の客間もLDKと変わらない温度となっていることが分かります。
今回、実際の計測の温度よりも低いのですが、これはエアコンからの吹き出し温度が低かったためと思われます。
いずれにせよ、温度は奥の方まで殆ど変わらない状態です。

2Fに関しては、床の大部分が18℃になっています。ただし、右上のお風呂や洗面の付近では温度が若干下がっていることがわかります。
床面だけを見ていくと、屋内のドアを開け放った状態であれば、どこもほぼ温度一定と言っても良いでしょう。
続いて、壁の温度分布も見ておきましょう。

上の画像は、北と西側(最初の図の左と下側)の壁の温度の分布です。こちらも18℃付近の極めて安定した温度分布になっています。ただ、窓では一部温度が下がっていることが分かります。

上の画像は南と東側(最初の図の上と右側)の壁の温度分布です。LDKのある画像左側は高い温度で安定していることが分かります。しかし、画面中央の2Fの窓付近や、右側の2Fおよび1Fの窓付近では、8~9℃程度の温度まで下がっていることがわかります。床とは異なり、窓は温度が低くなっています。
これは外気温が3℃と、冬の中でも大阪では一番寒いくらいの温度であることと、同じ性能の窓でもエアコンの温度の届き具合で、窓の表面温度が異なることを意味しています。
ドアを閉めた場合の温度分布
さて、今度はいよいよ屋内ドアを締め切った状態の場合です。
普通は、全てのドアを締め切ることはあまり無いかもしれませんが、今回は全ての屋内のドアを閉めた状態の結果です。

1Fでは、屋内ドアを開けた場合と閉めた場合では温度の分布がそれほど変わっていないようです。
1Fの床に限ると、あまり影響が見られません。

しかし、上の画像のように2Fの場合は少し様子が異なってきます。17℃付近の温度が大部分を占めることは変わらないのですが、右上にあるお風呂と洗面の床は、温度が割と下がっています。
これは、この部分の下に1Fが無く、直接屋外になっていることと、ドアを締め切ることで暖房の空気が上手く行き渡っていないからだと思われます。
更に、壁の温度分布も比較してみましょう。

上の画像は、北と西側(最初の図の左と下側)の壁の温度の分布です。表面温度が安定していることはあまり変わらないのですが、窓表面の温度が更に低くなっています。
屋内ドアを閉めたことで、極端な温度低下は発生してはいないのですが、表面温度が若干下がってしまったようです。特に窓の表面に関しては、人間が肌感で分かる程度には温度が下がっていそうです。

上の画像は南と東側(最初の図の上と右側)の壁の温度分布です。特に異なるのは、浴室部分です。窓の温度だけに限らず、壁や床の温度も下がっていることが分かります。更に、エアコンから遠い個室の窓も表面温度が低くなっています。浴室では、肌寒さを感じる事もあるでしょう。
これらのことから、エアコンから遠い部屋の屋内ドアは極力開けておく方が良さそうです。
1Fや、エアコンから近い寝室だと屋内ドアを締め切ってもそれほど影響は無さそうですが、浴室は特に使用時以外はドアを開けっぱなしにしておく方が無難でしょう。
小さい部屋であればあるほど、影響が大きくなりやすいとも言えます。
まとめ
今回、分かったことを箇条書きで纏めると以下になります。
・屋内ドアを開けるか閉めるかで、明らかな温度の違いが発生するのはエアコンから遠い部屋である。
・エアコンから比較的近い部屋では、ドアの開け閉めで大きな違いは発生し難いが、窓表面の温度が下がる傾向にある。
・極力狭い部屋は、ドアを開けっぱなしにしておいた方が無難である。
・屋内ドアを閉めっぱなしにする場合、窓にハニカムスクリーンなどの断熱性のある窓を覆うものがあると、気にしなくても良い程度にはなりそうです。
これからのあなたの計画のご参考にして下さい。



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太田(健康・高断熱住宅専門家)