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エコキュート太陽光発電の組み合わせがおすすめな訳

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

     エコキュートとはヒートポンプと言う仕組みで、お湯を沸かす給湯器であり、一昔前までは深夜の安い電力料金を増やして夜中にお湯を沸かして貯めておくという、オール電化専用の給湯器のように扱われてきました。しかし近年ではエコキュートのお湯を貯めるという機能に注目が集まっています。これを上手く利用することで、よりお得に生活することが可能となるのです。以前は設置・工事費が80万円近くして値段が高かった印象のエコキュートですが、今では20~30万円近くまで下がってきており、かなりお手頃になってきました。

    G2性能の住宅では電力が余る!

    家庭内のエネルギー消費割合

    こちらのグラフを見ると、家の中で使われるエネルギーは大半が暖房と給湯であることがわかります。G2性能の住宅にした場合、24時間暖房とすることが多いのですが、実はこの場合でも、暖房による電力消費量はかなり低く抑えられます。

    大体500W程度の電力で全館の空調が可能となり、仮にこれが日中ずっと続いた場合でも、

      500(W) ☓ 8(時間) = 4.0(kWh)

    の消費電力量となります。

    冬場、太陽光発電は1kWあたり1日(日中)に2.0kWh程度発電するとされ、3kWの太陽光発電が屋根に乗っていれば、6.0kWh発電できることなり、暖房だけでは日中に電力が余る計算になります。

    他に目立って、電力消費をするようなことがなればこの余った電力はどうすればよいでしょうか?

    蓄電はまだ早い!余った電力をどう活用する?

    太陽光発電の電力があまれば、電力会社に売ってしまえばいいと思うかもしれません。

    しかし、現在ではこの電力会社に売る選択肢はおすすめしません。

    なぜなら現在、売電価格はかなり下落し、売電することは損に繋がるからです。

    では、次に対策として挙げられそうなのが、蓄電池を設置すること。こちらも蓄電池自体がまだまだ高く、最良の選択とは言えません。

    また、蓄電池に一度蓄電すると、何%かは上手く蓄電出来ずに熱に変わってしまい、効率が落ちてしまいます。ですので、選択肢の一番手になるわけではありません。

    では、余った電力をどうすべきなのか?

    それは、最初のグラフに戻って考えてみると明らかなのですが、お湯を作ると良いのです。余った電力を利用して、極力お湯を作って貯めておきましょう。

    エコキュートの新たな利用方法として、「お湯をためられる」ことに注目が集まっているのはこの点です。(必要な電力として太陽光発電の電力を消費することを自家消費といい、太陽光発電による電力は極力自家消費することが奨励されています。)

    また、エコキュート自体は給湯器の中で、太陽の熱でお湯を作る太陽熱発電に続いて省エネと言われていますJIS効率という効率が4以上のエコキュートであれば、確実にガスや灯油を使ってお湯を沸かす給湯器と比べると省エネで、光熱費も安くすることが可能となります。(ただし、エネファームは別)

    ただし、エコキュートで日中にお湯を沸かそうとした場合、このような設定に対応している機器もありますが、夜中に沸かしあげることが前提となっている機種がまだ多いです。ですので、このような機器を利用する場合はエコキュート本体の時間設定をずらしてやる必要が出てきます。

    エコキュートリモコン
    リモコンで時間調節をする

    エコキュートは、代表的なもので3時間程度の沸き上げ時間となっていて、消費電力も冬場で1.5kW程度です。ですので全部で4.5kWh程度の電力が必要になります。

    先程の暖房に必要な電力と合わせると、8.5kWhの電力が必要となり、3kWの太陽光発電では足りなくなってしまいます。

    ですので、最初からエコキュート沸き上げを太陽光発電で賄うのであれば、冬に備えて4kW程度にしておくことが望ましいと言えます。

    戸建住宅なら将来的には蓄電池よりもEVカー

    冬場は上記のような仕組みで、上手く電力を使い切る事ができます。

    しかし、春や秋、夏といったケースではどうでしょうか?

    これらの季節では、お湯を沸かすのに必要な電力は約3kWh程度まで下がります。空調に掛かる電力は、春や秋ならば殆ど掛からないことを思うと、割と電力が余ってくることになります。(先程の例では5kWh程度余ることになります)

    この余った電力はどうしたら良いでしょうか?

    単純にはやはり蓄電池を設けて、一旦貯めた上で夜の電力消費に、回すことは可能ですが、果たして元がとれるでしょうか?

    もともと、太陽光発電で発電した電力は太陽光発電自体の値段の回収に7年~10年かかります。その後、20年程度の年月をかけて蓄電池分の元をとることはナンセンスです。

    もう少し将来的なことに目をやると、同じ電力を貯めるなら、車に貯める選択肢もあります。

    車は2021年1月、菅前首相が施政方針演説で「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と宣言しており、近くEVカーが当たり前の時代がやってきます。こうなると、蓄電池は無用の長物になる可能性もあり、今導入に踏み切るべきか答えが見えてきそうです。

    おそらく、次の車かその次の車には電気自動車となることを前提に考えるのであれば、その頃には太陽光発電の設置に掛かった費用の回収が終わります。電力を貯める選択肢はそれまで保留しておいても良いでしょう。