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あなたは蓄電池派?それとも電気自動車派?新しい家で考えるエネルギーの貯め方

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    【はじめに】新しい家で考えるべきエネルギーの選択

    これから家を建てる人が知っておくべきこと

    以前からこのブログでは、2030年には新築住宅の全てがZEH(ゼロエネルギー住宅)としなければならなくなる予定出ることを伝えてきています。

    参考【新築を建てるなら、ゼロエネルギー住宅(ZEH)にするべきか?】

    ZEHにするという事は、必ず太陽光発電を搭載することになります。
    そして、この太陽光発電はG2等の高断熱な住宅とした場合、発電した電気が余る可能性があります。
    これまでは、余った電気は売ってしまえばよかったのですが、近年の電気代の高騰と、買取価格の減少(2023年は1kw16円)のため、なるべく売らずに使わないと損をする状態になっています。

    そのため、余った電気はどこかに貯めておいて使った方が得をするようになってきています。
    貯めておく方法としてはいくつかありますが、代表的なのはお湯を沸かしておいて沸かしたお湯を貯めると言う選択肢です。お湯は夜に使う事が多いため、日中の太陽があるうちに余った電気でお湯を沸かしておくのはいい使い道です。

    しかし、それでもまだ余る電気が出てくる場合があります。

    この場合は、電気を電気のままで貯める方法があります。
    その方法として、大きく2つの方法が挙げられます。

    蓄電池に貯める
    電気自動車に貯める

    【蓄電池の利用方法】余った電力を専用機で貯める

    電気代の節約と非常時の安心

    日中、太陽光発電で発電した電気を貯めることにより、夜間、外から買ってきた電気を使用するよりも安く電気を利用できます。これは、太陽光発電側でどれだけ発電して、どれだけ電気が余るのかにもよりますが、夜間貯めた電力だけで過ごすことが出来ると殆ど外部から電力を買う必要が無くなります。

    また、台風などの雨の日等で太陽光発電による発電が出来ない場合、晴れている間に貯めた電気を利用することは可能です。これも、外から電気を買ってくるよりも安くなるケースです。

    蓄電池のメリットとデメリット

    以上のように、太陽光発電で沢山発電した場合は、あまった電気の貯蔵場所として役立ちます。しかし、最も大きなデメリットとしては、蓄電池自体が非常に高額だという事です。

    この場合、沢山太陽光発電を載せて、沢山発電して、沢山余った電気を蓄電池に貯めて、貯めた電気で夜間に使用する電力を全て賄うことで、なるべく早く最初の出費を回収することが可能となります。

    また、蓄電池は、太陽光発電で発電した電気を貯める段階で少し電力量が減り、また貯めた電気を家で再利用する場合にまた電力量が減ってしまいます。これは蓄電池の種類によって、どれだけ減るのかが異なるので、利用する場合は極力この減る電力量が小さいものが理想的です。

    【電気自動車の魅力】V2Hを利用した手法

    あまった電気を電気自動車に貯める方法

    太陽光発電で余った電気を電気自動車で貯めるという方法があります。
    この場合、自動車のために外から電気を買ってきた場合との比較となります。自動車をよく利用する場合は、余った電気の用途として丁度良いです。しかし、昼間肝心の車が仕事などでない場合は、貯める事が出来ません。ですので、日中に車が止まっていることは必須となります。

    また、あまり車を使わず、直ぐに車の蓄電池がいっぱいになってしまう場合。これは、余った電気を結局捨てたり、売るしかなくなりますのであまり得な方法ではありません。基本的にEVカーの蓄電池はかなり沢山の電力を貯めることが出来るので、太陽光発電で余る量と相談しながらこの方法で十分なのかどうかを検討する必要があります。

    V2H(ビークルトゥーホーム)を利用した方法


    V2Hとは、先ほどとは逆に電気自動車(ビークル)に貯めた電気を家(ホーム)側で利用することです。この方法においても、日中に車があり、充電が可能な状態であることは必須です。

    そして、貯めた電気は車が走るために使う事も可能ですが、夜間などで家の中で電気を使う事も可能となります。こうすればかなり有効に利用することが可能です。

    とはいえ、蓄電池と同じく太陽光発電で発電した電気を貯める段階で少し電力量が減り、また貯めた電気を家で再利用する場合にまた電力量が減ってしまうのは同じなので、ここを効率的に利用できる機器を選ぶと良いです。

    電気自動車の注意点

    V2Hを利用する場合に注意すべき点は、自動車側でV2Hに対応しているかどうかを確認することです。
    同じEVカーでもテスラの自動車は、V2Hに対応していません。EVカーであれば何でもV2Hが出来るという訳ではないので、この点は注意してご自身の車で対応できるのか確認する必要があることを知っておいて下さい。

    【比較】蓄電池と電気自動車、どっちがいい?

    初期費用とランニングコスト

    現在、自動車の値段がかなり高騰しているので初期費用での比較が難しくなっています。蓄電池はかなり高い初期費用が必要で、従来は電気自動車は走る蓄電池としてかなりお得だったのですが、現在はそれほど容易く比べられません。とはいえ、自動車の世界においても2030年頃には電気自動車とハイブリッドカーのみになる予定となっているので、新車購入予定なのであればどのみち必要になるという意味では、初期費用は関係なく、電気自動車を利用する方が良いでしょう。(ただ、将来的はカーシェアリングしか利用しないと思っている場合は別ですが。)

    また、貯められる電力の量は一般的には電気自動車の方がかなり大きいです。
    考え方によって変わりますが、電気自動車が上手く利用できるのであれば、こちらの方が得になる可能性が高いです。

    V2Hの機械自体も、ものによってかなり値段が違います。効率が良くてなるべく安いものを選ぶと良いでしょう。

    ランニングコストについては、蓄電池の場合はリチウム蓄電池が利用されることが多いのですが、性質上、充電と放電を繰り返すと、徐々に貯められる量が減っていきます。ですので、この繰り返し数が多ければ多いほど、劣化していくことになります。初期では電気自動車の方が多く貯められる場合が殆どですが、車の利用が多ければ、充放電の繰り返しも多くなりその分、取り換えや乗り換えの時期が早めることになります。つまり、ランニングコストは頻繁に車を利用する場合は、買い替えコストに違いがでるという事になります。

    【まとめ】最終的にどっちを選ぶ?

    あなたのライフスタイルに合わせて最適な選択を

    電気自動車の場合、日中に車が置いてることが前提となります。
    日中に車を仕事などで利用することが多い場合は、そもそも電気を貯める事が出来ないので、選択肢は蓄電池となるでしょう。
    また、電気自動車を持っておらず、近く買い替える予定が無い場合も蓄電池となります。

    ただ、電気自動車の利用があり、日中に家に車を停めている時間が長い場合は電気自動車利用の方が得になります。

    ご自身のライフスタイルに合わせた選択をしましょう。