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GX住宅が新しいZEHになる!?

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    ここ数年間、ゼロエネルギー住宅の基準として、ZEH基準は変わらず利用されてきました。しかし、2025年にはいってGX住宅の運用が始まったことで、ZEH基準の改定が話し合われてきています。

    そして、2025/5/12に新しいZEHの基準を運用することが決まりました。
    今回はその内容についての解説です。

    現状のZEHの普及状況は?

    新しいZEHの話の前に、現段階でZEHはどの程度普及しているのでしょうか?
    それを表すのが以下のグラフです。

    2023年の時点で、戸建て住宅は約4軒に1軒はZEHとなっており、マンションに至ってはほぼ、半数がZEHになっています。(このブログではあまりお伝えしていませんでしたが、マンションにもZEHがあります。)

    この普及率は年々伸びていて、年に割合で5ポイント程度ずつ上昇していることが分かります。

    新しいZEHの基準スタートはいつ?

    新しいZEH基準の運用は、2027年以降を予定されています。
    2030年には新築住宅は全てZEHになる予定ですので、タイミング的には今回発表された新しいZEHの基準が、このまま2030年に適用されるものと考えられます。(新築の全てがZEHとなるのは2030年で確定している訳ではありません。)

    2027年以降は、新しいZEHがスタートするため、今のZEH基準は無くなる予定です。

    これまでのZEHで建てた住宅の扱いは?

    過去にZEH認証を受けて、建てた住宅の扱いはどうなるのでしょうか?
    もちろん、認証を受けた住宅は今の基準が無くなったとしても、ZEHとして扱われます。なので、新しい基準がスタートしてもZEHはZEHのままなので、心配は不要です。

    また、2027年度(2028年の3月)までに建てられたZEHでない住宅に関しては、リフォームを行ってZEHへと改修する場合は、今の基準を適用することも可能と言う事です。

    新しいZEH基準はどう変わる?

    では、今のZEH基準と新しいZEH基準とでは、どのように変わるのでしょうか?実は新しいZEH基準は今のGX住宅の基準と殆ど変わりません。

    今の基準GX住宅の基準新しい基準
    断熱性能(大阪や東京 6地域の場合)UA値0.60UA値0.46
    G2性能と同じ
    UA値0.46
    G2性能と同じ
    必要な省エネ性能基準から20%削減基準から35%削減基準から35%削減
    必要な設備特になしHEMS(予定)蓄電池
    高度エネルギーマネージメント
    太陽光発電で必要な発電量100%100%100%ただし、ZEH+の場合115%

    つまり、新しいZEH基準は設備の要件以外はGX住宅とほぼ同じ内容になっています。

    G2性能の住宅が、近い未来では全ての新築住宅に適用されるようになる可能性が高いという事を示唆しています。

    新しいZEH基準の必要設備

    新しいZEH基準には必要な設備も記載されています。

    蓄電池

    その1つが蓄電池、この蓄電池は現状は容量が5kWh以上であることが定められていますが、今後はこの点に関して見直しが行われることも発表されています。

    この蓄電池の対象がEVカーでも対象となるのかどうかについては、今後話し合われるものと思われます。

    高度エネルギーマネジメント

    これは一体なんでしょう?
    これは、太陽光発電の発電量や家の中でのエネルギーの使用量などを管理するシステムです。その時々で、エネルギーを自宅で使うべきなのか、それとも使用を控えるべきなのかを判断することも可能です。また、世の中全体で電気が足りなくなりそうなときに、家の中での電気の使い方を少し変える(例えばエアコンの温度を調整する等)ように指示を出す、デマンドレスポンス(DR)の仕組みも兼ね備えたものを想定しているようです。

    現状、DX住宅に必要なHEMSは、太陽光発電の発電量や家の中でのエネルギーの使用量を、モニターで確認することは可能なのですが、何かを判断したり、指示を出したりすることは出来ません。

    なので、高度エネルギーマネジメントは現状のHEMSの進化版と捉えるとよいです。

    今家を建てる場合はどうすればよい?

    今の基準で建てたZEHであっても、今後もZEHとして扱われるという事なので、別段今の時点で新しいZEHにする必要性は無いかもしれません。

    しかし、GX住宅は大型の補助金が受けられるメリットもありますので、新しいZEH基準で建てるというよりかは、GX住宅を建てることにはメリットがありそうです。(ただし、補助金は早いもの勝ちなので、まだ補助金が残っているかどうかは、計画する前に確認は必要です。)

    <参考>注文住宅に160万円の大型補助!GX志向型住宅で未来志向の暮らしを実現

    また、GX住宅で計画しておけば、後で蓄電池や高度エネルギーマネジメントを設置することは可能と考えられます。まずは、後から施工が困難な、断熱性能を新しいZEH基準にしておくことがお勧めと考えられます。