給湯機の種類とおすすめな給湯方法
我々の普通の生活の中で使われるエネルギーで多くを占めるのが、給湯です。
特に日本人はお風呂でお湯に浸かるため、お湯の使用量が多くなりがちです。
給湯はお湯を作るために、エネルギーを使います。
ですので、このお湯をどのように作るのかは省エネや光熱費を考える上で非常に大切なのです。
給湯器の種類と省エネ性能
給湯機は、お湯のつくり方で大きく分けて4種類あります。
ガスでお湯を沸かす方法
いわゆる、湯沸かし器として昔からよく利用されてきたのが、ガスでお湯を沸かす方法です。
この中にも大きく3種類あるので、こちらを紹介します。
ガスでお湯を沸かす代表的な給湯器として「エコジョーズ」があります。
昔からある、瞬間湯沸かし器の省エネ性能が高まったものです。
値段もそれほど高くなく、構造が単純なため、寿命が長く、故障し難い特徴があります。
別の給湯器として、「エコウィル」と言うものがあります。
こちらはガスでエンジンを動かして、電気を発電し、その余熱でお湯を沸かすものです。
設置の値段が高く、故障しやすく、部品の交換にお金が掛かるので、今では生産が殆ど中止されています。
「エネファーム」はガスを燃料電池で分解して、電気と熱を生成し、この熱でお湯を沸かすシステムです。
ガスをいっぱい使いますが、その分電気を生成することができます。
従来、PEFCと言うタイプが主流でしたが、最近ではSOFCと言うタイプが主流です。発電効率が上がり、コストダウンにもなりましたが、まだ導入費用が高く、ガス代もかなり掛かります。
電気でお湯を沸かす方法
電気でお湯を沸かす種類には大きく2種類あります。
電気ヒーターを使って、単純に暖める給湯器として電気温水器があります。最近では、ポットなども瞬間で沸かせるものがありますが、これと同様の仕組みです。
しかし、こちらは省エネ性能が非常に悪く、ヨーロッパなどでは製造が禁止されています。
これから給湯器を導入する場合は使わないようにしましょう。
電気を使っても省エネ性能が高い給湯器があります。それがヒートポンプ式の給湯器、「エコキュート」です。仕組みはエアコンと似ていて、省エネ性能が高いです。
以前は、深夜の安い電力を利用してお湯を沸かせることが特徴的でしたが、最近では太陽光発電によって発電された電力を利用してお湯を沸かすことがより省エネに繋がります。
石油(灯油)でお湯を沸かす方法
寒い地域では、比較的今でもこの石油を利用してお湯を沸かす給湯器が多く使われています。石油は寒さに強く、凍らないという特徴があるからです。
省エネタイプのものとして「エコフィール」と言うものがあります。
太陽の熱でお湯を沸かす方法
太陽の熱でお湯を沸かす給湯器も存在します。太陽熱温水器とソーラーシステムと言う2種類があります。無限に利用できる太陽の熱を利用してお湯を沸かすので、最も省エネな給湯器です。
太陽熱温水器は屋根の上にタンクを置くタイプで、簡便ですが耐震上不利になるため採用しない方が良いでしょう。
タンクを別置きと出来て、曇りの時などに予備としてバックアップ熱源(通常はエコジョーズとなっている)が併設されている、ソーラーシステムがあります。これは設置に費用が掛かりますが、耐震上の問題は少なくなります。
また、この他にもガスと電気の両方を利用可能な「エコワン」と呼ばれる商品もあります。省エネ性能が高く、ガスか電力のどちらかが不足した場合でも、片方が使えれば利用できるのが特徴です。
おすすめな給湯方法
給湯器を選ぶにあたって、一番大きな要因は家に導入するエネルギーの種類です。 家でガスを利用することが出来るのか?電力のみなのか?石油でないと不便なのか?お住まいの場所の事情によって、最適な給湯器が変わります。
家にガスを導入する場合
家でガスを導入することが出来る場合は、ガス給湯器の選択肢があります。
プロパンガスの場合、都市ガスよりもかなり高いため給湯器は電気を利用した方が安くできる可能性が高いです。(プロパンガスの場合、様々なサービスがありますが、それと比較しても結局省エネになるのは、電気だったりします。)
都市ガス利用の場合は、最初の導入費用を掛けたくない場合はエコジョーズが最も一般的です。
メーカーは様々ありますが、JIS効率が高いものを選ぶとよいでしょう。
ガスを導入しない場合
ガスを導入せずにオール電化とする場合は、エコキュート一択となります。
ZEHとして、太陽光発電を設置する場合は昼間の電力を利用して給湯するとよいです。
元から太陽光発電の電力が利用できるタイプもありますが、そうでない給湯器でも、エコキュートの時計設定を誤魔化すことで、日中に湧き上げが可能になります。
石油利用の場合
寒い地域の場合、石油でないと冬場は困る地域もあります。
エコキュートも最近では寒い地域に対応していますが、都度、凍った時の別運転などをして省エネでは無くなってしまいます。
設置費用や場所に余裕がある場合
設置費用や場所に余裕がある場合は、是非ソーラーシステムを採用しましょう。
初期の設置費用は高くなりますが、太陽の熱を利用するのでランニングコストはかなり安くなり、トータルコストでは得をする可能性があります。
太陽光発電パネルよりも、こちらを優先的に置く方がより省エネとなります。
最もお薦めな給湯器は、省エネの観点からはソーラーシステムです。