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日本のZEHは偽物のゼロエネルギー住宅??

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

2023年には新築住宅であれば必ずZEHにしなければならなくなる予定となっています。
しかし、このZEHの基準、今のままの基準であれば本当のゼロエネルギー住宅とはなりません。

いったいどういうことでしょうか?

日本のZEH基準は家電などのエネルギーは無視

日本のZEH(ネットゼロエネルギー住宅)は、まず家の全てのエネルギーをゼロにすることを目標としていません。

と言うのもZEHが対象としているエネルギーは、「暖冷房」「換気」「照明」「給湯」に利用されるエネルギーだけなのです。ですので、その他の家電に利用するエネルギーについては、完全に無視されています。。。。

<参考>これで安心ZEH相当の設備仕様

しかし、実際に家の中で利用されているエネルギーの約25%(4分の1)が上記以外の家電製品などによるエネルギー消費となっています。

つまり、日本の基準どおりにZEHにしたところで、実際のゼロエネルギー住宅にはならないのです。。。

海外の基準は更に上を行く

海外などでは、当然、家電などに利用するエネルギーも含めたゼロエネルギー住宅政策を進めています。

また、暖冷房における基準もかなり違います。

日本の場合、冷暖房を人が住居にいる時間帯だけ冷暖房した場合に必要なエネルギーのみを考慮しています。

これに対して、海外では通常、24時間ずっと冷暖房していることが一般的で、これに対してゼロエネルギーとなるように設計しなければならないことになっています。

つまり、日本のゼロエネルギーの基準と海外のゼロエネルギーの基準とでは相当大きな乖離があるのです。

24時間連続暖冷房は必要か?

多くの欧米諸国では、24時間連続の暖房が当たり前です。
これはそもそもの暖房に対する日本人の考え方と海外の文化における暖房の考え方の違いによるもので、日本では伝統的に24時間の連続暖房はもったいないとされてきました。

しかし、近年では温度差によるヒートショックの問題や、温暖化による夏の高温化によって、24時間暖冷房することが健康な生活にも繋がることが証明されてきました

もしこれが、ゼロエネルギーで実現できるのであれば今後のためにも実現したいのではないでしょうか?
まして、導入コストが限りなくチャラになるとすれば??

<参考>太陽光発電は必要か?メリット・デメリット

本当のゼロエネルギー住宅にするためには?

家電に必要なエネルギーへの対策

本当のゼロエネルギー住宅にするためには、「家電製品」に必要なエネルギーまでゼロに出来るように計画する必要があります。通常、これらのエネルギーは減らすことが難しいです。

例えば、冷蔵庫は家の中で最も消費電力の多い家電製品です。これは最新の省エネ器機であれば、そこから大幅に省エネすることが難しくなります。(なるべく、冷蔵庫の開閉回数を減らすなどの工夫の仕方はありますが、あまり高い項かは期待できません。)24時間稼働することが前提の家電が故ですね。

また、近年の傾向として家電製品で消費されるエネルギー量は年々増えています。主にパソコンやタブレット、携帯に消費される電力が多いようです。特にパソコンは、ゲームに利用される場合にかなりの消費電力が必要なようです。

つまり、家電に必要なエネルギーはそれ自体を減らすことが難しい部類です。
では、この対策はどのようにするべきか?
それは、「その分、太陽光発電を多めに載せる」こと
です。

南側で、屋根の角度が30℃と割と条件が良い場合、
日本の基準によるZEHをクリアーした状態から、
追加で 容量2.0kw の太陽光発電システムを搭載
してやるとこの分は大体賄えますが、将来の増分を考慮すると、更にプラスアルファしておくと良いでしょう。

24時間連続冷暖房に必要なエネルギーへの対策

現状のZEHの基準では人が在室する場合だけ冷暖房を行う場合のエネルギーしか考慮されていません。これを24時間暖冷房した場合、どのような対策をすれば良いでしょうか?

対策方法は大きく2種類あります。それは、「断熱強化」と「太陽光発電の設置容量増設」です。

G2住宅の場合、それだけでZEHの比較対象となる住宅の人が在室する場合だけの冷暖房に必要なエネルギーと24時間暖房のエネルギー量がほぼ等しくなることが示されています。

<参考>24時間暖房するのはもったいない?G2性能の住宅の場合

これが大きなヒントになります。
ZEHの比較基準となっている建物で必要な冷暖房消費量を基準から、G2への断熱化によって削減出来たエネルギー量ぶんだけ、太陽光発電を増設してやれば良いことになります。

少し分かりづらいので例をあげます。

以下の表は、住宅におけるエネルギー計算の結果です。

設計一次エネルギー基準一次エネルギー
暖房設備6650MJ13383MJ

G2性能にすると、効率の良いエアコンを使わなくても、エネルギーが約半減することが分かります。
ただし、半減するのはエアコンを連続運転で無く、居室に人がいるときのみ稼働させた場合です。

つまり、G2性能の住宅で24時間暖房をした場合、基準一次エネルギーと同じ13383MJが必要になるのです。

ですから、その差 13383-6650=6733MJ は、24時間連続暖房にする場合、追加で必要となるエネルギーと言えます。

この分を太陽光発電を増設して賄ってやれば良いことになります。

これを賄うには約1kwの太陽光発電容量があれば十分です。

ただし、もし暖冷房負荷を詳細に計算出来るのであればもちろん、それからゼロエネルギーに必要な太陽光発電の量を求める事も可能です。

G2の場合の本当のゼロエネルギー住宅にするには?

結局、G2住宅の場合で完全なゼロエネルギー住宅にするには、大体の目安で日本の基準におけるZEHにプラスアルファして約3kw程の太陽光発電を増量しておくと良いという事になります。

参考にして下さい。