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床下エアコンがおすすめな理由

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    近年、エアコンを床下に設置するという手法に注目が集まっています。設置の方法は様々で、ひとえに床下エアコンといっても様々な手法が存在します。しかし、これらの様々な床下エアコンには共通のメリットが存在します。今回は、その点について説明したいと思います。

    床下エアコンって何??

    その前に、床下エアコンがどのようなものかを簡単に説明しておきます。
    これは前回も表示した、床下エアコンの一例です。

    このようにエアコンの暖房の空気を、床下に送り出す手法を床下エアコンと呼んでいます。
    エアコンの設置の仕方は様々で、全く別の場所にエアコンを置く場合もあったり、あまり推奨しませんがエアコン自体を床下に設置する方法もあったりします。

    共通なのは、床下空間に暖気を送り出しているという点です。

    メリット①:頭寒足熱を実現しやすい

    床下に暖気を送り出す目的としては、足元を暖めたいからです。
    足元を暖めると何がいいのかと言うと、頭寒足熱を実現しやすいからです。
    頭寒足熱とは、足元を暖めて、頭は涼しく過ごすと言う人間にとって快適な状態を表します。

    何故、頭寒足熱が快適なのか?

    人間にとって、脳はとても大事な臓器です。脳の温度が上がると、集中力の低下や眠気、だるさを感じやすくなってしまいます。なので、脳は適切な温度で涼しくすることで快適性や覚醒感を感じるようになります。

    逆に足先は心臓から最も遠い位置のため、血流が流れにくい場所となっています。このため、足先は他の部位に比べて冷えやすい箇所となっています。足元を暖めると、足先の血管が拡張して血流が良くなります。この結果、快適と感じやすくなります。

    床下に暖気を送り出すと何が良い?

    床下に暖気を送り出すメリットとしては、2つあります。
    1つ目は、床板自体を暖められることです。
    通常のエアコンであれば、床板自体を暖めることは目的とはしていません。ですので、部屋の温度は暖かくなっても、床板自体はさほど暖まらずになんとなく冷たく感じるという現象が発生します。
    立っている場合、人間が唯一空気以外に触れるのはこの床板ですので、ここを暖めることが出来るのは、足元を暖める上でとても重要なことです。

    2つ目のメリットとしては、部屋の下から順番に暖められることです。
    暖かい空気は、通常温度が低い空気よりも軽くなります。ですので、通常のエアコン暖房で陥りやすいのは、部屋の上部だけ暖まって、下部がなかなか暖まらないと言う現象です。これは、高断熱住宅にすることによって、かなり改善されるのですが、完全に改善されるかと言うとそうでもなく、床下エアコンによって、下から暖めることで、更に大きな改善が望めます。

    メリット②:比較的省エネである(ランニングコストが安い)

    床下エアコンの特徴として、エアコンを利用しているという点です。別に床下を暖めるだけであれば、ファンヒーターや他の暖房機器でも良いのですが、やはり光熱費のことを考えると、エアコンがベストな選択肢になります。

    以前にもこのキコログで触れましたが、エアコンは超省エネな機器です。

    <参考>【まとめ】エアコンがベストな選択である理由について

    このため、暖房費も抑えることが可能です。

    例えば、足元を暖める手段としては床暖房も考えられます。
    しかし、この床暖房は省エネの観点から見た場合、あまり省エネとは言い難い面があります(もちろん、システムや容量によっても違いはあります。)

    この点、エアコンを直接利用する床下エアコンは床暖房に比べるとかなりの省エネとなります。

    ※ただし、エアコンを通常の屋内で利用することに比べると省エネではなくなります

    メリット③:イニシャルコストも安い

    ランニングコスト(光熱費)も比較的安くなりますが、イニシャルコスト(導入費用)も安く抑えられることにメリットがあります。
    通常、床暖房のようなシステムだと、かなり大掛かりとなり、イニシャルコストがかなり大きくなります。他の全館空調と言ったシステムにおいても同様のことが言えます。

    もちろん、一概に床下エアコンと言っても様々なシステムがあるので、イニシャルコストが高くなるシステムもありますが、一般的には床下エアコンは、通常のエアコンの暖気を床下に送り出すだけのシステムなので、非常にイニシャルコストも安く抑えられることが大きな特徴として挙げられます。(ただし、通常にエアコンを利用することに比べると高くなります。)

    高断熱住宅と相性が良い

    また、メリットとは言えませんが、床下エアコンは高断熱住宅ならではと言う点も挙げられます。

    通常、高断熱住宅でない場合は床下エアコンを利用したとしても、強力なファンが必要になります。
    ファンの力を利用しないと、暖気が家の隅々まで届かないからです。

    この反面、高断熱住宅であれば、家の隅々まで暖めることは多少の時間を要しますが可能となります。このためには、システム上の工夫が少し必要ですが、高断熱ではない住宅に比べると遥かに容易に暖めることが可能です。

    このように床下エアコンは、高断熱住宅との掛け合わせで初めてその快適性を実現できるのです。

    まとめ

    以上の話を総括すると、高断熱住宅における床下エアコンのメリットは「安くて快適」という事が出来るでしょう。
    世の中には制御を部屋ごとに行うことが出来るといったような、まるで個別空調かのような全館空調が存在したりしますが、こういったシステムは往々にして高額です。

    これに対して、極力コストを抑えつつも快適な生活を実現しようと言うことで考案されたのが床下エアコンです。新築計画の参考にされてみては如何でしょうか。