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今年は窓リフォームが殺到しています

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    新しく家を建てる場合において、窓を高断熱化することが重要であることはこのブログにおいて何度か説明してきました。それは、快適に過ごすと言う意味と省エネの意味があります。

    【参考】樹脂サッシ・樹脂窓の断熱性能について徹底解説

    リフォームでの窓の高断熱化が注目されている理由

    いま、新しく建てる家を高断熱化・省エネ化することよりも重要度が増しているのが既に建っている既存建物の省エネ化です。こちらにおいても、窓の高断熱化が非常に重要な要素として捉えられています。

    リフォームでの省エネ化が重要な理由

    リフォームで窓を高断熱化することは、暖房費を大きく抑える効果が期待され、大きな省エネ化に貢献します。このリフォームにおける省エネ化が何故、現在重要視されているのでしょうか?

    新築の戸建て住宅は年間20~30万戸程建ちます。マンションなどの共同住宅を入れても年間70万戸程度です。
    これに比べ、世の中にある既存の住宅は5000万戸もあるわけです。

    年間で1%程度の住宅を省エネ化、ゼロエネルギー化したところで、100年程度の時間が必要になります。
    これに対して、既に建っている住宅をなるべく沢山省エネ化・ゼロエネルギー化することが可能になれば全体としての省エネ効果が高くなるわけです。

    こうした理由から、国を挙げて省エネ化に取り組むようになったのです。

    リフォームでの高断熱化が必要なもう一つの理由

    日本の家は寒い!!

    と、言う事実をご存じでしょうか?
    特に2000年より前に建てられた建物は、断熱材自体が入っていないことも多く、冬は外気温と同等程度にまで下がってしまう家が沢山あります。

    そして、日本の建築基準法では2025年まで建物に断熱材を入れる法律が無いのです。(2025年から始めて適用される)

    このため、日本全国の建物は非常に冬に寒いのです。

    WHO(世界保健機関)では、冬でも最低温度を18℃下回らないようにすることを強く推奨しています。
    しかし、日本の研究者が日本全国のリビングを調査したところ、18℃を上回っている住宅が殆ど無かった・・・・

    これが日本の実情なのです。

    そして、冬に家が寒いことによって日本では頻繁に悲劇が起こっています。
    日本は長寿国でありながら、要介護認定を受けている高齢者が非常に多く、健康で長生きしている人が少ない国になっています。

    寒いことで、脳や心臓の血管を詰まらせ、死亡する人の割合も多く、死亡しないまでも介護が必要となる人の割合がかなり多いのです。

    こうした事実を背景に、国は既に建っている建物の断熱化を推奨しているのです。

    リフォームでの窓の高断熱化を推奨している事例

    京都府さんの事例

    例えば、京都府さんにおいても、府が主導して既存建物に高断熱窓を導入することを推奨しています。
    リンクは筆者が監修を行った京都府さん発行のリーフレットです。

    「健康と快適は窓から」
    京都府キャラクターのまゆまろ君にも協力して貰いました!

    こちらのリーフレットでは、窓を高断熱化することの効能を表現していて、

    ・窓が昔のままで寒い場合

    「暖房しているのにいつまでも寒い」「夜、トイレに行くのがおっくう」「窓の結露が酷い」

    ・窓を新しく断熱すると

    「快適・ぽかぽか」「家庭が明るくなった」「防犯性もあがる!」「防音性もあがる!」

    と、言ったような効果を分かり易く説明しています。

    日本サスティナブル建築協会での事例

    こちらは、一般社団法人日本サスティナブル建築協会さんが発行しているチラシです。

    こちらのチラシは、国交省厚生労働省が協力して作成しています。

    暖かい家に住むことで、血圧が下がると言った重大な発見がここに記されています。
    寒い家から改善することで、ヒートショックを防ぎ、熱中症予防にもなり、夜にトイレに起きる頻度を減らし、家の中での活動が増える効果があることが明記されています。

    それだけ、断熱をして屋内を高温に保つことが身体によい影響があるという事です。

    窓リフォームが殺到している理由

    そんななか、国を挙げてリフォームを推進する対策が色々とられています。
    そして、今年度国が新たに始めた対策のため、今窓リフォームに対する依頼が殺到している状態です。

    それがこちら。

    こちらでは、最大200万円もの補助金が用意されていて、窓毎に補助金が貰えます。
    しかも、この補助金の使いやすいところは、補助金が5万円以上であれば例え窓を1~2か所変えるだけの工事でも補助が受けられるという事です!

    1000億円もの予算が組まれており、これは史上最大規模の補助金額なのです。とはいえ、この補助金を全て使い切っても、恐らく20万戸程度(1戸平均して50万円程度の補助を受けると想定)がリフォームをしたに過ぎないことになります。全体の2.5%だけではあります。しかし、今回の仕掛けが上手くいくと、来年、再来年も続いていく可能性があります。
    これで窓断熱リフォームの認知度が上がれば、今後は光熱費対策としても、窓断熱希望者が増える可能性もあります。恐らく国はここに期待しているのではないでしょうか。

    とは言うものの、補助金は元々我々の血税から出されるものです。
    ですので、今、リビングが寒い。寝室が寒い。と感じているのであれば、是非この補助金を利用するべきです。
    高断熱化は壁や床、天井なども断熱することが望ましいですが、まずは窓を高断熱化することから始めてみると良いでしょう。(※効果はその家の状態によっても異なります。※)

    補助金は早い者勝ちですので、無くなれば終了です4月から始まって、5月終わりの時点で4分の1が無くなっています
    そして、今回の補助金の期限は今年の11月30日までに工事を終わらせることです。

    今現在、この工事を希望しても窓の生産が追い付かないため3か月後になるようです。
    遅くとも8月までに決めなければ、このチャンスを活かすことは出来なさそうです。