新築を建てるなら、ゼロエネルギー住宅(ZEH)にするべきか?
最初に家を建てようと言う話になったとき、インターネットでどんな家を建てようかと調べ物をしていると、よくゼロエネルギーハウスとか、ZEH(ゼッチ)と言う言葉を見かけることがあると思います。これらは全て同じゼロエネルギー住宅のことです。
このゼロエネルギー住宅、新築をする際には必須なのでしょうか?
ゼロエネルギー住宅(ZEH)とはどんな住宅か?
ゼロエネルギー住宅、色々なサイトで詳しい説明が載っている昨今。
最もシンプルに言うと、
「家で使うエネルギー」<「太陽光発電で発電できるエネルギー」
となる住宅です。詳細には1次エネルギーと言うもので比べるのですが、おおよそ上のイメージで間違いないです。
(正確には家で使う、暖冷房、給湯、照明、換気に利用するエネルギーでの比較です。)
なので、ZEHには太陽光発電は必須となります。
ゼロエネルギー住宅の仕様について、メリットとデメリットは?
ZEHにするための仕様
まず、このZEHにするためには必要な仕様が3つ決まっています。
① 断熱性能であるUA値0.6(大阪6地域の場合)を下回る数字にすること
② 従来から決められている省エネ性能を20%上回った住宅とすること
③ ゼロになるような性能を満たした太陽光発電を載せること
経済産業省
①を満たさなければならないのは、断熱性能が低い住宅では暖房や冷房がザルのように使われてしまうからです。
②が必要なのも同様の意味で、兎に角太陽光発電を沢山載せることが出来れば、どんな住宅でもゼロエネルギー住宅になってしまうのですが、それでは太陽光発電がつぶれたりした場合に、大きなエネルギーを使う事になるので、家自体もある程度省エネになっている必要があるためです。
では、②についてどのような仕様にすれば良いのでしょうか?
これについては、主に「暖房」「冷房」「換気」「給湯」「照明」について、考えれば良いことになっています。その詳細については、2章の費用と共に検討したいと思います。
ZEHにかかる上乗せ費用
ZEHを計画するにあたって、上乗せでかかる費用を考えたいのですが、どこからの上乗せを考えれば良いでしょうか?
「あなたのお住まいに必要なUA値とは? 」でG2の断熱性能がコスト的には一番お得になりやすいと言うことでしたので、ここからの上乗せを考えたいと思います。
まず、①の断熱についての費用ですが、これは全くの追加無しです。
寧ろ余裕でクリアです。
次に②の費用についてですが、以下のように考えましょう
「暖房」「冷房」:エアコンを使用しましょう。エアコンが最も省エネな機器です。また、同じエアコンの中でもCOP(又はAPF)と言う数値がなるべく高いものであればOKです。COPが良くても、最近では通常のエアコンとさほど変わりませんが、G2性能の住宅であれば、エアコンは2台もあれば十分ですので、10万円程度の追加を見ておきましょう。
「換気」:通常の換気でも十分でしょう。
「給湯」:最新の機器を選びましょう。ガスならエネファーム、電気ならエコキュートを選んでおけばOKです。これは一般的なもので十分ですので、追加費用は無しと考えます。
更に、キッチンやシャワー、手洗いの蛇口(水栓)ですが、こちらも省エネタイプにしましょう。こちらは通常と違う事も多いと思いますので、追加費用は15万円程度でしょうか。
「照明」:LEDを採用します。採用しますと言っても、最近ではLEDしかありませんので、こちらも追加費用無しです。
結局、②での追加費用は合計で25万円程度です。
次に太陽光です。こちらは3~5kwの間で適切な容量のものを選ぶことになります。最近、値段がバラバラですが120万円くらいでしょうか。
しかし、こちらの太陽光発電ですが、G2性能程度の断熱性能の住宅でしたら、10年程度で元が取れると言われています。そのためには、自家消費や住宅ローンの金利がそれほど高くないことなどが挙げられますが、生涯で必要な費用は寧ろマイナスになり、貯金が出来ると考えても良いでしょう。
件局、ZEHにするための追加費用にはG2性能の建物であれば25万円程度の追加費用で実現するという事が言えそうです。
ZEHにはどんなメリットがあるのか?
ZEHにすることによって、どんなメリットが考えられるでしょうか?
現在、世界では地球温暖化による高温化が問題になっています。
そのためには、我々の一般生活においても多大な省エネをしなくてはなりません。その一環として、政府はZEHを推奨するという事になっています。
ですので、今後減税や住宅ローンの軽減、補助金など様々なメリットが出てくると予想されます。(今でも一部ありますが、更に多くのメリットが出てくるでしょう。)
更に、実際の生活においてもメリットはあります。
まず太陽光発電。こちらは先にも書いていますが、G2ぐらいの断熱性能であれば、試算上は元が取れると言われています。今後の電力の値上がりが見込まれるからです。そして、元が取れたあとはメンテナンスに多少の費用は掛かりますが、基本的には電気代が浮く分だけ儲かる仕組みです。
かなり大きなメリットがあると考えられますね。
つまり、今後は可能な限り新築はゼロエネルギー住宅(ZEH)にするべきなのです。
2030年に向けたZEHに対しての補助金政策
先ほども書きましたが、菅総理は2050年までに二酸化炭素の排出をゼロにする、ゼロカーボンを掲げています。深刻な地球温暖化に対応するためなのですが、これに向けてZEHを2030年までに、新築では100%にしようと言う計画があります。
この計画を達成するため、国では現状もZEHにするための補助金を作っています。今後はこれに更に拍車がかかり、補助金を受ける期間がいつでも可能になるかもしれません。(現状は、限られた日程に合う場合にしか補助金は貰えません。)
ZEHにする場合、まずは補助金の対象となりそうかどうかを確認することをお勧めします。