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G2性能の住宅の床下エアコン実際の暖房費は?

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    2022年2月におけるG2住宅の暖房状況

    今回はG2性能の住宅における、床下エアコンの暖房費を実際に計測した結果について見ていきましょう。
    その前に今回計測した住宅の概要です。

    吹き抜け
    計測したG2性能の住宅

    広さは50坪ほどの大きさで、リビングには大きな吹抜けがあります。
    1階はLDKと洋室、2階には子供部屋2つと主寝室、それに浴室や洗面所が配置されています。

    こちらの建物では、床下エアコンが採用されていて、冬場はこの床下エアコン1台で暖房を行っています。
    床下エアコンの運転は24時間連続して行っており、設定温度の変更は殆ど行われていません。

    加湿を行うことも無く、その他のコタツやヒーターと言った機器も利用していません。

    この状況下において、2月中にLDKの室温、2階子供部屋の室温、外気温、エアコンの消費電力量を計測した結果が以下となります。この時、エアコンの設定温度は22℃です。

    2月の室温とエアコン消費電力量

    エアコンの設定温度が22℃にも関わらす、LDK・子供部屋共に25℃近辺まで温度が上がっていることが確認できます。
    これは、エアコンを床下付近に設置していることに起因しますが、22℃設定だったとしてもエアコンの吹出口からは40℃を超える温風が吹き出しています。ですので、設定温度よりも高い室温になることも十分に起こりうるのです。

    同じ室温となるように再現した計算上の暖房費

    今度は、上の温度に近づくように市販のシミュレーションソフトを利用して2月の暖房費を計算によって求めてみます。

    シミュレーションとは、実際の建物を想定してパソコン上で仮想的に作った住宅に対して暖房した場合に、どれだけの熱量が必要なのかを計算することが出来るツールです。

    このツールを使用して、今回の建物と暖房状況を再現してみました。
    その結果、出てきた結果が以下です。

    シミュレーションによる2月の室温

    この中の紫色のラインがLDKの室温です。実際に計測した結果と似たような25℃前後の結果となっています。
    また緑色のラインは、子供部屋の室温になります。こちらは実際に計測した室温に比べて低い温度で推移しています。これはこのシミュレーションツールの限界で、シミュレーションが実際の状況と全く同じように再現できる訳ではないことを如実に表しています。

    そして、計算上の暖房設定は床下エアコンとして計算しました。実際の建物と同じように熱交換換気扇の利用も想定しています。
    その上で、LDKを25℃付近に保つためには設定温度を29℃まで上げてやる必要がありました。
    内部発熱(人間や家電が発する熱)や日射取得(外から得られる太陽からの熱量)に大きな違いは無いはずなので、設定温度に大きな違いがあるのは、やはり計算上のロジックが実際を捉えていないからだと言えそうです。

    とはいえ、計算結果は実際の計測結果と似たような室温になったので、こちらの結果を実際の光熱費と比べてみたいと思います。

    実際のG2住宅の暖房費

    実際の計測した光熱費の前にシミュレーションによる光熱費の計算結果を先に示します。光熱費を算出するにあたって、電気代は1kWh当たり、27円としました(この辺は、適切にお住まいの一般的な電気料金を入れると良いです)。その結果が以下となります。

    シミュレーションによる年間の冷暖房費

    冷房費も算出されていますが、こちらは仮の結果なので今回は無視します。


    注目したいのは2月の暖房費です。
    シミュレーションの結果によると、10,936円となっています。
    使用した電力量は約405kWhとなります。

    これに対して、今回計測した暖房費は以下となります。

    7988円(296kWh)

    計算結果とは3000円近く違います。大体計算結果の75%程度に抑えられています。
    この違いは、計算上のロジックと実際の違いやエアコンの運転状態の違いによるものとなりますが、実際に計算より安くなることの方が多いでしょう。

    いずれにせよ、この冬は8000円程度の光熱費で家1棟が丸々暖房できたことになります。

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