受付時間 / 9:00〜18:00

資料請求・お問い合わせ

キコログ

キコログ | 大阪で自然素材の注文住宅「kicori」

調査に基づく暖かい家に住むメリット

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    暖かい家は健康に良い

    断熱性能の高い住宅に住むと、冷暖房が効きやすくなるため夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことが出来ます。
    今までの日本の住宅は、断熱をしなければならないといった法律が無く、2025年までこの状態が続きます
    そのため、日本では既に建っている住宅の内、3割が無断熱住宅で、6割が断熱性能の低い住宅となっており、日本全体の9割が冬になると寒い住宅となってしまっています。

    これ諸外国と比べてもとても低いレベルになっていて、海外からは先進国として信じられないと言われています。

    とはいえ、少しづつ増えてきている高断熱な住宅。冬に暖かく過ごせることは人間の健康を維持するためにとても重要だと言われています。では、何故暖かい家が健康を維持するのに大切なのか。
    その理由を調査によって分かってきた内容を基に解説します。

    暖かい家は血圧が下がる

    日本における全国調査で、冬の時期には暖かい家に住んでいると血圧が低くなることが実証されました。これは世界で初めて立証された事実で30代で男性20℃、女性22℃、80代であれば25℃程度がベストな室温であるといわれています。

    更にこの効果は、高齢であればあるほど、また女性に特に効果が高く、高血圧を抑制する薬よりも効果があるケースが多いことが分かってきています。

    暖かい家は健康診断数値も良好になる

    更に普段から寒い日でも18℃以上をキープしている家に住んでいる人は、それ以下の温度帯になる住宅に比べて健康診断の結果が良好であることも分かりました。

    暖かい家で住む人は総コレステロールが低く、悪玉コレステロールなどを含むNON-DHLコレステロールも低く、心電図異常も少ないことがわかりました。

    逆に12℃以下の寒い住宅に住んでいる層は、暖かい家に住んでいる人に比べて心電図異常が2倍以上高いことが分かっています。

    暖かい家は相対的に健康な人が多いという事が言えるのです。
    【出典】Environ Health Prev Med. 2021 Oct 12;26(1):104.

    暖かい家は傷病も少ない

    上記に示された症状の他、18℃以上がキープされる暖かい家は寒い家に比べると高血圧者が減り、糖尿病者が減り、脂質異常が減り、関節痛や腰痛は半減し、骨折や捻挫も減ることが調査によって示されています。

    また、街全体で見ても暖かい住宅の割合が多い街であれば、高血圧、肺炎、脳血管疾患が減り、健康的な街となっていることも示されています。

    暖かく適度な湿度の家は子供の疾病が少ない

    暖かく湿度が適した状態で過ごしている子供たちはそうでない状態の家に住んでいる子供に比べ、アレルギー性鼻炎が少なく、アトピー性皮膚炎が少なく、喘息、中耳炎も少ないことが分かっています。

    暖かい家では要介護期間も短い

    また、17℃以上の暖かい家に住むご高齢の方は、15℃以下の寒い住宅に住むご高齢の方よりも要介護が少なくなり、要介護となる平均年齢は3年上の80.7歳となります。

    寒い家に暮らしていると、体が悪くなるリスクが高いため早い段階で要介護になっていると考えられます。

    【出典】日本建築学会環境系論文集. 84(763), p.795-803, 2019

    暖かい家は睡眠にも良く、活発的に動く!

    冬場に寝室が寒い状態で寝ている、あるいは乾燥した状態で寝ている人は、そうでない人に比べると自分で自覚している眠りの質が悪いことも分かっています。

    これは寒いことが睡眠を阻害しており、その結果、あまりよく眠れないと言ったような自己評価に繋がっているのだと考えられています。

    【出典】名古屋医科学誌 2021年2月

    また、寒い家に住む人は夜中にトイレに行く回数が多いことも分かっています。この点からも、寒いことが睡眠を妨げていると言えるでしょう。

    【出典】Urology. 2020 Nov;145:60-65. doi: 10.1016/j.urology.2020.08.020. Epub 2020 Aug 21.

    また暖かい家に住む人は、コタツを利用する割合が低く、コタツを利用しない生活を送っている人は家の中でも活発的に動いていることが分かっています。

    座りすぎると、糖尿病や心血管疾患にかかりやすいことから、動き回ることが多いことで、健康を維持できていると言えます。

    【出典】運動疫学研究23(1):p.45-56, 2021

    まとめ

    このように近年の調査によって、寒い状況で過ごすことが高齢者だけに限らず、子供や中年にも影響を与えていることが分かってきています。日本には四季があり、寒いことに趣を感じますが、家の中の生活において寒い状況が続くと体に無理をさせていることになります。

    「寒いことを我慢することで体が強くなる」と言うことが言われますが、実際に調査するとこれとは全く逆の結果が出てきます。

    恐らく、成長している段階では寒さに対しての耐性をつけるために体が様々な工夫が出来る可能性があります。例えば、筋力がついて代謝が上がり、体温が一定に保てる。このことにより、冷覚の反応が鈍り、寒さを感じにくくなると、言ったような体の変化はあるかと思います

    しかし、一旦成長が止まった体ではなかなかそうはならないと思われます。
    調査の結果から、知らず知らずのうちに寒さによって健康が損なわれている可能性の方が高いことが示されています。

    子供は元気に外で遊んでもらって、成長を終えた大人は暖かい場所で適した暮らしをするべきなのではないでしょうか。