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新築住宅でエアコンは買い替えるべきか?

太田(健康・高断熱住宅専門家) 太田(健康・高断熱住宅専門家)

Contents

    新築住宅に住み替える時、迷いやすいのがエアコンを買い替えるべきかどうか。エアコンも決して安いものではないし、使えるなら使いたいと言うのが本音ではないでしょうか?
    今回はその目安となる考え方についてです。

    新しい家では何台エアコンが必要か?

    今使用しているエアコンを再利用すべきかどうかの一つの目安としては、新しい家で必要なエアコンの台数が参考になります。G2レベルの高断熱住宅であれば、計算上は1台のエアコンで十分冷暖房が可能となります(もちろん、どのようにして温度が隅々まで行き渡るようにするかは別途検討が必要です)。ですので、元あった家に複数台エアコンがある場合は、補助用エアコンとして利用する方向になるでしょう。

    例えば、リビングには家中を暖めるあるいは、冷やすためのメインのエアコンをしっかり置きます。これを補助する役割として、元あったエアコンを主寝室や子供室に設けることが考えられます。この場合、各個室に設置されたエアコンは通常使う必要は無いのですが、極端に暑い日や寒い日に利用することになるでしょう。

    この場合、エアコン本体の再利用は上手く出来たように思います。しかし、実際は光熱費のことを考えると、本当にベストな判断とは言えない場合があります。

    今使っているエアコンは省エネタイプか?

    実際に、今利用しているエアコンを再利用するにあたっては光熱費の観点で本当に利用価値があるかどうかを判定する必要があります。

    あまり旧式のエアコンの場合、省エネ性能が乏しいため光熱費が高くなってしまいます。
    そこで目安となるのは、2010年頃より前のエアコンかどうかです。
    この頃以降のエアコンは省エネ性能が格段に良くなっており、再利用するのであれば2010年頃以降のエアコンであることがお勧めです。

    ※とはいえ、2010年の平均的なエアコンと、最新型の省エネエアコンでは10%程省エネ性能が違っており、年間3,000円程の違いがあります。(2022年7月の試算)10年で3万円違うので、これでも結構な違いです。

    エアコンが製造された年代は、エアコンの室内機の下部に殆どが記載されています。
    エアコンの下を覗いてみるとシールが貼ってあるので、確認することが出来ます。
    ここで2010年以前の製造であることが確認出来たら、光熱費が今より(少なくとも3000円程度以上は)違う可能性が高いので、新しくすることをおすすめします。

    エアコンの室内機の下部には製造年などが記載されたラベルがあります

    この場合、省エネ型のエアコンを購入することで10年と言った期間で考えると、トントンになるか寧ろ特になる可能性すらあるのです。
    それでいて、以前よりもエアコンの効きが良かったりするので、この目安は知っておくと良いでしょう。

    再利用する場合の注意点

    再利用する場合には注意点が必要です。
    2006年頃より古いエアコンの場合、今現在では扱っていない「R22冷媒」と呼ばれるものを利用していることがあります。この場合は、現在ではそのようなエアコンの再利用は出来ません。

    冷媒とは、エアコンの室内機と室外機の間を行ったり来たりしている冷気や暖気を運ぶ媒体のようなものと思って貰えたら良いのですが、2020年にR22冷媒の利用が禁止され、利用できる冷媒が現在では新しいものに限られています。
    ですので、あまりに古いエアコンはそもそも再利用出来ない可能性が高くなります。

    また、再利用するために確認が必要なのはそのエアコンの能力です。
    もし、メインとなるエアコンとして利用する場合は、ある程度の能力(冷やしたり暖めたりする能力)が必要となります。
    こちらの能力についても、エアコンの室内機下側に記載があります。
    ここの数値を確認して、メインとして利用するエアコンとして適しているのかを確認しましょう。
    適しているかどうかは、家の断熱性能によって微妙に変わるので専門家に聞く方が確実となります。

    エアコンの下にある製造年と能力が分かるラベル

    例えば、上の画像では製造年が2009年であることが分かります。この時点で新しく買い替える方が長い年月を使う事を考えれば得そうです。しかしこちらの写真では、「エネルギー消費効率」と言う項目が記載されていて、その値が冷房・暖房ともに6以上あるので、それほど省エネ性能が悪いわけではありません。最新の省エネ型エアコンでもこの能力を下回る場合があるので、この場合だとよっぽど機械の故障などが明らかでない限りは再利用しても良さそうです。

    もし再利用する場合は能力を確認します。ここでは冷房が2.2kwとなっていて、暖房が2.5kwとなっていることが分かります。これはエアコンの能力としては一番小さいものとなります。ですので、メインのエアコンとして利用することは難しい場合が多そうです。

    目安として、この能力が5kw程あれば十分である可能性が高いです。(G2性能の住宅であれば2.2kwでも冷暖房可能な場合もあります)

    このようにエアコンの再利用を考えた場合も、今のエアコンがどの程度省エネなのかを確認した上で再利用するようにしましょう。