おひさまエコキュートってなに?
おひさまエコキュートというものを聞いたことがありますか?
おひさまエコキュートは、太陽光発電で発電した電気が使われずに余った場合に有効活用するために考えられたお湯を沸かす機械です。
今日はこのおひさまエコキュートについて紹介していきます。
おひさまエコキュートの基本知識
エコキュートってなに?
エコキュートは最近ではよく聞く名前になってきました。
しかし、意外とエコキュートが何なのかを実際に分かっている人は少ないはずです。
まずはエコキュートの説明からです。
エコキュートは簡単に言えば、電気を利用してお湯を沸かす機械です。
ヒートポンプと言う仕組みでお湯を沸かすため、給湯器としては非常に省エネとなります。
エコキュートの特徴として、お湯を一旦巨大なタンクに貯めることが挙げられます。ガスに火をつけてお湯を沸かす場合、瞬間的に大量のお湯を作ることが出来るのですが、電気を利用してお湯を沸かす場合、瞬間的に大量にお湯を作ることが出来ないため、一旦お湯を巨大なタンクに貯めることになります。
エコキュートがお湯を貯める理由
電力会社では、原子力発電などを利用して電力をつくるため、昼も夜も同じような量の電気を作り続けています。
なので、人が寝ている夜はせっかく作った電力があまり、捨ててしまうことになります。
このような背景があり、電力会社は夜中の電力を安くするという料金体系を設けていたりします。(電力会社によって異なる。)
エコキュートは元々この夜中の安い電力を利用して、お湯を沸かします。
当然、夜中にそれほどお湯を使う事はありませんので、タンクにお湯を貯めておくことになります。
通常のエコキュートとの違い
おひさまエコキュートと通常のエコキュートの違いを簡単に説明すると、通常のエコキュートはお湯を沸かす時間帯が深夜になります。
これに対しておひさまエコキュートは、お湯を沸かす時間が昼間になります。
ここが一番大きな違いです。
おひさまエコキュートのメリット
何故昼間に沸かすのか?
これは最初にも触れましたが、太陽光発電で発電していても大して電気を利用せず余ってしまうことがあります。
以前は、この余った電力は電力会社に売ってしまえば良かったのですが、この電力会社による買い取り額が年々減少しているため、売ると損をするようになってきました。
2009年:売電価格1kwh48円、2023年:売電価格1kwh16円
ですので、この余った電気は売るよりも家の中で利用する方が得になります。
そこで、本来夜の電力でお湯を沸かしていたエコキュートを昼間に沸かすようにしたのがおひさまエコキュートというわけです。
もちろん、従来のエコキュートでも昼間に沸かすように時間をずらしたりすれば沸かせるのですが、そうするとかなりややこしいのでこのようなエコキュートが実現されたのです。
更に省エネな理由
おひさまエコキュートにすると、通常のエコキュートよりも省エネとなります。その大きな理由は2つです。
理由① 太陽光発電の電力でお湯を沸かすため。
理由② タンクにお湯を貯めている時間が短くなる。
通常のエコキュートであれば、夜中にお湯をためることになります。ですが最もお湯が必要なお風呂の時間帯は通常、夜になります。つまりお湯を貯めておく時間が非常に長くなり、この間にお湯がある程度冷めてしまいます。
これに対しておひさまエコキュートは、日中にお湯を貯めることになります。ですので、その夜のお風呂の時間帯にはそれほどお湯が冷めることがなく利用することが可能となります。
雨や曇りの日はどうなる?
これは、メーカーによって対応が違います。
ある機種では、常に沸かす時間が決まっています。ですので、雨や曇りの日が続いても、常に日中の電力会社から供給される電力でお湯を沸かします。
しかし、パナソニックが提供するAiseg2と言うコントローラー(のようなもの)の機能であるAIソーラーチャージとエコキュートであれば、翌日の天気予報を基に昼間に沸かすべきかどうかを判断します。(似たような名前のスマートソーラーチャージは、天気予報は考慮しません。)
このAIソーラーチャージは、自宅の太陽光パネルの容量(何キロワットの太陽光発電が搭載されているか?)、通常は日中にどの程度の電力があまるのか、を設定することが出来、出来るだけ太陽光発電の余剰電力を使用することが可能です。
よりお得にお湯を沸かしたい場合は、この機能を利用するのが良いでしょう。また、Aiseg2はHEMSとよばる器機にあたるため、他にも様々な機能を利用することが可能です。
おひさまエコキュートを導入するための条件
設置に適した家の条件
おひさまエコキュートは、太陽光発電の余剰電力(使わずに余った電力)を利用します。ですので、なるべく電力があまる家にしておく必要があります。
家の中で使われるエネルギーは、暖房と給湯に利用されるエネルギーが大きいです。
ですので、暖房にあまりエネルギーを使わない家の方が当然余る量も多くなります。
つまり、おひさまエコキュートを導入するのであれば、高断熱であるG2性能の住宅の方がより適していると言えます。
また、当然電力が余らなければ意味がありませんので、ZEH仕様の住宅であることや、適切な太陽光発電の容量を確保しておく必要があります。
<参考>これで安心ZEH相当の設備仕様
<参考>実績値に基づくゼロエネに必要な太陽光発電の量
電力会社との電気契約は?
関西電力では、2024年3月現在では日中に電気料金が安くなると言うプランはありません。(一部の電力会社では、日中の電気料金が安いプランもあります。この場合、太陽光発電の電力を余らせる必要なく、日中に沸かせばよいことになります。)
ですので、もしAIソーラーチャージを利用するのであれば、夜間に電力が安くなる契約が得です。
ずっと日中の電力を利用するのであれば、新しい家での電力使用量を予想することで、どれが最適化が変わってきます。