高断熱住宅でおすすめなレンジフードとは?
レンジフードとは何?
レンジフードとは、キッチンのコンロの上部に設けられる覆い(フード)とその内部にある換気扇との総称です。
何故、フードという名前なのに換気扇も含むのか疑問に思われるかもしれませんが、習慣的にそのように呼ばれています。
目的としては、料理の際に湯気とともに舞い上がる油や臭いを屋外に排出することです。
最近、調理器具にはガスコンロとIHクッキングヒーターがありますが、レンジフードによって排出するためにはガスコンロの方が有利と言われています。
これは、ガスコンロからは実際の火による高温で上昇気流が発生しやすいため、より真上に湯気が上がりやすいためと言われています。
また、ガスコンロを設置する場合は消防法と言う法律で、レンジフードの設置が義務付けられます。
この場合、設置する高さと共にどれほどの排気が出来るのかも問われることになります。
とはいえ、IHクッキングヒーターだからと言って、レンジフードを設置しないことはあり得ませんが。。。
お掃除が楽なレンジフードが人気
最近では、パナソニックをはじめ、タカラスタンダードやクリナップなどのキッチンメーカーがオリジナルのレンジフードを売りにしています。
しかし、実際に中の換気扇の部分は殆どが富士工業と言う会社の換気扇が利用されていることが殆どです。
とは言え、その中でも各社が特徴を出すべく、様々な種類のレンジフードが作られています。
従来、レンジフードは換気扇のファンの部分に油汚れがこびりつき、これが溜まりすぎると換気の機能が低下してしまいます。
そのため、掃除が必要となるのですが、なかなかこびりついた油汚れを落とすことは困難を極めていました。
特に最近では下の写真のようなシロッコファンと言う強力な換気が行えるファンを利用することが殆どになっていますので、余計に掃除が大変となっていて、この掃除のために半日掛かりと言ったことも日曜茶飯事でした。
そのため、メーカー各社はこのファンの部分の掃除がなるべく少なくて済むような工夫がされたレンジフードに注力していて、お掃除が如何にラクかと言った視点の商品が出されています。
レンジフード選びの際は是非この点を確認してみてください。
気密の高い住宅では排気のみのレンジフードは禁止
高断熱な住宅の場合、同時に高気密な住宅となります。
その場合、下の図のような通常のレンジフードの使用は避けましょう。
一般的なレンジフードの場合、調理からの排気を効率よく行うため非常に多量の排気が行えるように強力なモーターの換気扇となっています。
このため、上の絵のような換気扇だと大量の排気が行われます。
住宅の気密性が高いと、排気が行われた分の給気は居室と呼ばれる部屋に設置されている24時間換気扇の給気口から行われることになります。
通常、この居室の24時間換気扇はそれほど多量の換気は行っていません。
それを踏まえて、冷暖房計画を行う事が普通なので、急に大きな給気が入って来ると、冬場であれば部屋が寒くなってしまうのです。
また、一時的には屋内が負圧の状態となり、予期せぬ家の中の扉が急にバタンとしまったり、人によっては耳鳴りを感じる人も出てきます。
このようなことが生じないようにするためには、同時給排と言うタイプの換気扇を採用することがお勧めとなります。
同時給排型のレンジフードの仕組み
同時給排とはいったいどんなレンジフードなのでしょうか?
仕組みは下の絵のような感じになっています。
従来のレンジフードであれば排気のみのため、排気された分、別の場所から給気されてしまうのでした。
しかし、同時給排と言うタイプのレンジフードであれば、換気扇の使用と同時に、同じレンジフードで給気が行われることになります。上の絵で言うと、青い矢印が書いてある部分がその経路となります。
換気扇がオンになると、給気側のシャッターが開いて排気されるのと同時に給気が出来るようになる仕組みです。
もし冬場にこの同時給排を利用しなければ他の部屋が寒くなってしまいます。その時に掛かる暖房費と比べると、なんと5%も電気代が節約できると言う研究も存在します。
キッチンが寒くなるのでは?と心配する声も聴きますが、利用者に聞いてみると、基本的に料理の時は火を使うか、調理で暖かくなっているため、それほど気にならないそうです。
また、夏場においてはキッチンがとても暑くなるため、これがマシになる効果もあるという事で、二重のメリットがあるようです。
同時給排型のレンジフードを使用する場合の注意点
高断熱住宅の場合は必須のレンジフードですが、いくつか注意が必要となります。
まず一つ目は、上の絵にあまり宜しくない表現が含まれています。
それは何かと言うと、屋外側の青い矢印と黄色い矢印がとても近くにある点です。
これが実際の建物だと、折角捨てた排気がそのまま家の中に入って来てしまう事になります。
ですので、家の外側の排気の位置と給気の位置はなるべく離して設ける必要があります。
理想は、建物の角となっていて、方角が別々となっていることですが、なかなか難しい場合が殆どなので、排気と給気の位置を1m以上離すと良いでしょう。
また、二つ目の注意点としては、青色の矢印です。
青色の矢印は給気なのですが、この給気はダクトを通って入ることになります。
このダクトに関しては、冬場に寒くなると冷たい空気が通ることになります。
ですので、この冷たい空気がダクトの周りに結露を発生させてしまうことがあります。
通常、結露は乾けば何も問題ありませんが、もしこの結露が長くその場に留まると、カビや腐りの原因となります。
ですので、このダクトは出来るだけ断熱を巻いたタイプにしておくと結露を防ぎやすくなります。
このように、高断熱住宅とする場合は同時給排型のレンジフードとすることは必須となります。