ZEHにするためにあなたはどこを妥協しますか?
環境共創イニシアチブと言う団体が、ZEH(ゼロエネルギー住宅)に対する補助金を交付しています。この団体では、補助金の交付と共にZEHに関するアンケート調査を実施、毎年その結果を報告しています。今回はその結果報告からの抜粋です。今後の家づくりの参考として下さい。
ZEHするために妥協するのは何?
ZEHにするためには、太陽光発電を載せたり、断熱性能を高くしたりする必要があります。このため全体的な建設費は高くなる傾向です。その場合、多くの人はどのような妥協点を見出しているのでしょうか?その結果がこちらです。
全部で2064人の回答で、なんと一番多いのが「妥協しなかった」と言う回答です。
やはり、一生に一度の家づくりで妥協はしないと言う考えが多いようです。
その次に、「家自体が高くなることを妥協した」つまり、「ほんとは高くなって欲しくないけど、まぁ仕方が無いか。」と言う回答がその次に高いようです。
以前にもこのブログで伝えましたが、実質ZEHはG2性能以上の断熱性能がある限り、最終的には得する話なので、最初に多少高くなることは許容できると言う人が多いという事です。
<参考>新築を建てるなら、ゼロエネルギー住宅(ZEH)にするべきか?
また、妥協する場合はエクステリアをなるべくコストを抑える回答が次に多く、その次に外装(外壁)や内装(豪華な内装にしないなど)でコストを抑える場合が多いようで、リビングを小さくしたり、窓を小さくすることはあまり多数派では無いようです。
満足度はどのくらい?
つづいて、妥協しないで家を建てた人が多い中、その満足度は如何なものでしょうか?
今度は夏と冬に分けて、済んだ人の実感を見てみましょう。
夏の満足度 Ua値0.40~0.50(6地域のG2性能付近)
圧倒的に多いのが「快適である」と言う感想で8割近い人が実感しているようです。
続いて、以前の家より涼しい実感があると言う回答が多くなっています。
このアンケートは複数回答が可能になっているので、半数位の人は
「快適」で「健康的」で「光熱費が抑えられる」ことを実感しているという結果です。
健康的であることを実感できると言う事はとても重要なことです。
長生きする人の共通の特徴は、「自分自身で自分のことが健康的」と感じている人が長生きすることが分かっています。
半数近い人がそう感じるという事は驚異的なことだと言えるでしょう。
冬の満足度 Ua値0.40~0.50(6地域のG2性能付近)
少し以外に感じるのは、夏よりも快適と答える割合が少し低いことです。
恐らくこれは、1地域から7地域までの全ての地域の回答であることから、1地域や2地域では、Ua値0.40は最低基準であることから、その分、満足度が低くなっているのではないかと考えられます。
とはいえ、多くの人が快適と答えていることには変わりはありません。
このように、6地域において断熱性能が高いZEHは、多くの人の満足度が高いと言えそうです。
更に、ZEHを人に薦めたいかと言う問いには、何と94.7%もの人が薦めたいと回答しています。
これも満足度の表れと言えるでしょう。
おすすめポイントはどこ?
更におススメポイントについても回答を得ています。
一番のおすすめポイントは「光熱費の安さ」のようです。
約53%もの人が、おすすめポイントに挙げていることからも光熱費は実際にかなり安くなっているということでしょう。
更に「屋内が静か」なことをおすすめポイントとして挙げる回答が約33%あるようです。
3人に1人が静かであることをおすすめポイントに挙げる位なので、かなり実感があるようです。
この他にも「部屋ごとの温度差がすくない」「冬に結露しない」などと言った点も3~4割近い人が挙げていて、この辺を人に薦めたいと思うくらい実感があるようです。
太陽光発電、導入してみて良かった?
太陽光発電を「導入して良かった」と思った人の割合は2981人中2354人で、79.0%です。
多くの人が導入して良かったと回答しています。
反面、356人の約12%の人が、「想定していたより経済的メリットが感じられない」と回答しています。
これは、設計段階での説明不足や、ギリギリの断熱性能設計だった場合に生じると思われ、設計段階でどの程度のメリットが得られそうなのかを確認しておくことが重要でしょう。
まとめ
多くの人はZEHするための妥協はしないようです。
また、高断熱にしたことによる快適性への満足度は非常に高く、太陽光発電設置についても良かった人の方が遥かに割合が多くなっています。
ZEHにするかどうか迷っている人は、参考にして頂けたらと思います。