冬のリビング三大不満に対処する方法
多くの場合、家に居る間はリビングで過ごすと言う人が多いのではないでしょうか?家を建てる際、リビングが快適であることは自分自身が過ごす上でも大切ですし、快適なリビングであれば家族が自然と集まってきます。
今回は、「暮らし創造研究会」と言う団体が行った、既に家を建てた居住者に対するアンケート調査で、リビングに対する不満について回答を得た結果を元に快適なリビングとするにはどうしたら良いかについて考えていきたいと思います。
リビングの三大形態
リビングには様々な種類があります。今回は快適性の観点からリビングを大きく3つに分類します。
閉鎖型リビングプラン
最も一般的なリビングプランです。多くの高断熱住宅でない住宅ではこの形式のプランが採用されています。閉鎖型なので、低断熱であってもエアコンが設定温度に達しやすいのが特徴です。(ただし、低断熱であれば省エネとは言えません。)
リビング階段プラン
上記にリビング階段を設けたプランです。近年では一般的になってきています。この場合、動線的な目的であることが多く、帰宅した子供が必ずリビングを通って個室へ行くように計画されています。
リビング階段吹抜けプラン
更に吹抜けを設けたプランです。最も開放的で気持ちの良い空間になりやすいです。
冬のランキングから見た3大不満とは?
それぞれのリビング形態では、不満ランキングも少し異なっています。
以下がその結果です。
閉鎖型 | リビング階段 | リビング階段・吹抜け | |
---|---|---|---|
1位 | 暖房をつけると乾燥する | 暖房をつけると乾燥する | 暖房をつけると乾燥する |
2位 | 床が冷たい | 床が冷たい | 暖房とつけても、なかなか暖まらない |
3位 | 暖房とつけても、なかなか暖まらない | 暖房をつけると天井付近に暖気がたまり、足元は暖まらない | 暖房をつけると2階や吹抜け上部に暖気がたまり、1階は暖まらない |
4位 | 暖房をつけると温風があたる | 暖気が部屋全体に届かない | 暖気が部屋全体に届かない |
5位 | 暖房をつけると天井付近に暖気がたまり、足元は暖まらない | 窓周りから冷気が伝わる | 窓周りから冷気が伝わる |
このランキングは、断熱性能が高く無い住宅が含まれています。
ですので、多くの不満は高断熱住宅とすることで解決が可能です。
どのように解決されるのかについては、参考の記事を読んでみて下さい。
<参考>リビング階段は高断熱住宅が必須
ですが、改めてこのランキングを整理すると、以下の3大不満が浮かんできます。
- 乾燥感
- 床や窓の冷たさ
- 温度ムラ
2や3番は高断熱住宅にすることによって、かなり改善されますが一つ一つ対策を見ていきましょう。
乾燥感に対する対策
冬は温度が下がるため、基本的に乾燥します。
暖房にガスや灯油を燃やすタイプを利用すれば、大量の水蒸気が発生するので乾燥感は防げますが、この水蒸気によって家にカビが入る恐れがあります。同時に大量の二酸化炭素を出すので健康にも良くありません。
ですので、エアコンで暖房することが省エネの意味でも、健康の意味でもよいのですが、エアコンは水蒸気を発生させないため乾燥対策が難しいです。(ダイキンさんのうるる加湿を使えば少しはマシになりますが。。。)
何故、エアコンが良いのか詳しく知りたい場合は以下の記事を参考にして下さい。
<参考>暖房機器はどんな器具が最適か?暖房費?最適な温度は何度?
そこで重要になるのが加湿をすることです。
ただし、高断熱住宅の場合、安易に加湿器を利用すると過剰な加湿となり帰って良くないので、注意が必要です。
どの程度の加湿が最適なのかを知りたい場合は以下の記事を参考にして下さい。
高断熱住宅でなくても、エアコン暖房だけの場合は必ず乾燥を感じる人が増えます。これは単純に温度が上がることに起因します。ですので、床暖房の場合でも同じです。(部屋自体を暖めることのない、コタツは別です。)
また、エアコンの場合は暖気が直接体に当たることでより、乾燥感が増えます。これを防ぐためには、エアコンの暖気が直接体に当たらないようにする設置位置の工夫が必要です。
そして、全く暖気が体に当たる心配のない設置の仕方が床下エアコンです。
床や窓の冷たさに対する対策
窓の冷たさ対策
窓の冷たさに対する対策は非常に簡単です。
窓を樹脂製の窓とし、ガラスを複層(出来ればトリプルガラス)にすることです。これによって、窓からの冷気や冷たさは殆ど感じなくなります。
より詳しく知りたい場合はこちらの記事を参考にして下さい。
床の冷たさ対策
そして床の冷たさに対する対策です。高断熱住宅にすると、この点がかなり改善されますが、更なる改善方法をここでは挙げます。
こちらについては2つの対策方法が考えられます。
対策① 使用する床材を無垢の柔らかい床とする
人間は、立っていると唯一足だけが他の物(個体)に触れます。
そして触れている皮膚は熱伝導といって、個体から個体に直接熱が流れます。(厳密には間に空気がありますが。)ですので、この熱伝導をなるべく小さくするためには、床の表面に工夫が必要です。
多くの新建材と呼ばれているフローリングには表面にウレタンなどのコーティングが施されています。
このコーティング、メンテナンスのためには非常に優れているのですが、残念ながらコーティングしてしまうため、本来の木の良さが失われてしまいます。
本来、木は目に見えないくらいの凸凹が表面にあります。これは手触りとして分かる程度です。しかし、コーティングをしてしまうとこの凸凹を消してしまうため、表面は平滑になります。平滑になると足と床の間にある空気の層が失われ、より冷たさが伝わりやすくなります。
実は、これが暖かさを失う原因となっています。
ですので、出来ればこのようなコーティングが施されていない材料を利用することが良いです。
また、同じ木でも硬い木と柔らかい木では表面の凸凹具合が異なります。
柔らかい木の方がより凸凹が多く、より暖かさを感じれるのです。
対策② 床から温める
もう1つの方法は、床自体を暖めると言う手法です。
床が冷たいのであれば、床自体を暖めることが最も分かりやすい対処方法です。
そして、最もコストを掛けずに簡単に床を暖める方法があります。
それが、「床下エアコン」です。
足元から暖かくすることが出来、理想の暖房方法で、しかも省エネです。
この床下エアコンの暖房費について知りたい場合は以下の記事を参考にして下さい。
温度ムラに対する対策
温度ムラに対する対策は、何と言ってもG2性能の住宅にすることです。
高断熱住宅は、部屋の中の上下の温度差や部屋間の温度差を無くすことが可能となります。
高断熱住宅が何故、上下温度差が無くなるのかを詳しく知りたい場合は以下の記事を参考にして下さい。
まとめ
ここまで見てきたように、冬のリビングの不満を無くす方法は基本的には高断熱住宅とすることです。3大不満を無くすための大きなポイントは以下となります。
G2性能の高断熱住宅 + 床下エアコン + 少しの加湿 (+出来れば柔らかい無垢の床)
となります。
是非参考にしてみて下さい。